途中から拝聴させていただきましたが、爆心地から2Km以内の場所で、ご親族の方が住んでいたり、働きに出かけていたりして被ばくされたこと、当時数km離れた場所に疎開をしていて、直接の被ばくはなかったものの一緒に住んでいた方が親族の方を探すために町に入られて被ばくをしてしまったことなどを、スクリーンを使って地図に「香久山小学校からどのあたりまでの距離」と表記して具体的に説明してくださいました。また、その探しに行かれた方から聞いた投下後の爆心地付近の様子を描いた絵も見せてくださいました。
中上様は、祖母様や叔母様が時々当時のことを、時々少しずつ話される内容を書き留めて生きた資料を作り、今回のように長崎の原爆の語り部としてご講演されておられるそうです。
私は長崎の原爆についてお話を聴くのは初めてでしたので、とても新鮮というか、興味深く聴かせていただきました。私自身、戦地で実際に戦い負傷して生還した叔父から、戦場の話を何度か聞いたことがあります。それもあって「戦争と平和」については、自分なりに思うことがあります。広島に訪れた際は原爆資料館などに立ち寄ったり、沖縄に行った際には必ずひめゆりの塔に行き献花をしたりして、平和な世の中を守らなければと心を新たにしています。
お話が終わったとき、子どもたちは内容の濃さに衝撃を受け、しばらく放心状態のように黙ったままでした。質問の時間では、核保有国や核爆弾の使用などについて積極的に質問し、関心の高さを感じました。
最後に、「今、戦争をしているところはありますか?」、「なぜ、戦争は起きるのですか?」
子どもの素直な質問を聞いて2つのことを思いました。
1つは、子どもたちにもっと世界を知ってもらうための努力をする必要があること。
もう1つは、子どもたちに平和な日本があるのは先人の方の犠牲や苦悩のおかげであることを伝え、平和を維持していく子どもたちを育てる必要があること。
平和教育の大切さを改めて感じた講演でした。