今週から本の貸出を開始しました
2021年4月22日 12時03分今年初めての本の紹介です。
本年も、図書室から図書委員の活動や本の紹介をしていきます。
1年生も図書室オリエンテーションを終え、たくさんの生徒が昼放課に図書室に来てくれています。
「推し、燃ゆ」 宇佐見 りん作
あらすじ
学校生活も家族関係も上手くいかない日々を送る、高校生のあかり。そんな彼女にとって唯一の生きがいは、「推し」であるアイドルグループ「まざま座」のメンバー・上野真幸を追いかけ、彼を“解釈”することだった。そんなある日、その「推し」がファンを殴って炎上したというニュースが飛び込んできて─。
【感想】
みなさんは「推し」に出会っていますか?
ー第164回芥川賞受賞作品ー
~作中より~
「あたしには、みんなが難なくこなせる何気ない生活もままならなくて、その皺寄せにぐちゃぐちゃ苦しんでばかりいる。だけど推しを推すことがあたしの生活の中心で絶対で、それだけは何をおいても明確だった。中心っていうか背骨かな」
主人公のあかりは推しを推すことを逃避でもなく依存でもなく、私の背骨だと言い、自分を支える中心だと言っています。
ここまで何かや誰かに夢中になれる主人公を羨ましく思います。
会ったことがない人とSNSでつながって、リアルな姿ではないけれど自分のことを知ってもらえて、認めてもらえる。反対にうまくいかない現実生活での生きづらさの描写にも注目しながら読んでほしい作品です。
~作中より~
「相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が終われることもない、一定のへだたりのある場所で誰かの存在を感じ続けられることが安らぎを与えてくれることがあるように思う。」