東の方でぶつぶつぶつ・・・

アサガオ問答。

2024年7月2日 17時00分

こんにちは、村瀬です。

7月に入りましたね。

今日も梅雨らしい空が広がっていますが、

1年生が育てているアサガオが次々顔を開き、

職員室前の通路が大変華やかになっております。

 

今朝の話です。

同じ分団なのでしょうか、

6年生と1年生の少年ペアがアサガオの前で立ち止まりました。

1年「お水あげなきゃ」

6年「今日はあげなくていいよ」

1年「なんで?」

6年「お昼から雨が降るからさ」

1年「でもあげないと、お花咲かないよ」

1年ボーイは「雨が降ること」と「水やりをすること」が、

アサガオにはとって同義だということは、まだつかんでいない様子です。

どんなときでも自分が水をあげないとアサガオが困ってしまう、

という優しい気持ちと責任感から、

そのように発言したのでしょう。

6年生は苦笑いを浮かべます。

さあ、どうする6年ボーイ?

このままでは、アサガオ、水浸しだぞ。

がんばれ、6年ボーイ!

村瀬はエールを送りながら見守ります。

6年「人間だってさ、1日くらいお水飲まなくても、

  生きていけるでしょ?

  アサガオだって大丈夫だよ。

  それにね、お水をあげすぎると、

  お腹いっぱいになりすぎて、かれちゃうんだって」

ほぉーーー。

村瀬はその説明に唸(うな)りました。

こうして1年ボーイは水やりをあきらめ、

6年ボーイと共に昇降口へ向かったのでした。

 

村瀬も考えました。

雨降りの日でも水をあげようとする子どもに対して、

どのような言葉で説得するだろう、と。

「ならぬことは、ならぬものです」(あかんものは、あかん)

(会津藩(あいずはん)『什の掟』(じゅうのおきて)参照)

と、びしっと告げるか。

はたまた、

「過剰な水分供給は、土壌が長期間浸潤な状態にしてしまい、

 そうすると土壌中の酸素濃度が低下し、根が酸欠状態になり、

 根腐れを原因となりうる。

 そのため、雨天が予想される中では、

 水やりは控えたほうがよろしいぞ」

と、知的に伝えてみるか。

いやいや、相手、1年生だし。

なんて、自問自答をしばらく繰り返していました。

 

ところで、この自問自答こそ、私たち教員が日々行う、

「教材研究」のベースとなるものに他なりません。

この内容を子どもたちが理解しやすくするためには、

どういう言葉で伝えよう?

あの子だったら、どういう反応を示すだろう?

この子はきっと、こういう質問をしてくるだろうから、

そのときは、どう返すといいだろう?

 

もちろん、うまくいくときばかりではありません。

むしろ、村瀬のように、

うまくいかず、反省することの方が多いかもしれません。

しかし、その反省をそのままにせず、

また次の授業に生かしていく。

そうして私たちは、

授業力(指導力)を高めていくのだと思います。

そう考えると、「教わる」側だけでなく、

「教える」側も一緒に学びを深めていくことができるのです。

 

教員って、

成長し続けるチャンスを無数に手にできる、素敵な職業なのですね。

なんてことを宣伝して、

教員志望者を増やそうと企(たくら)む、村瀬です。

そして、今朝1年ボーイと一緒に学びを深めた6年ボーイにも、

「一緒に学校で働かないか?」

とスカウトしようかとも考えている村瀬なのです。

 

それでは、また。