動く。
2025年5月28日 13時20分こんにちは、村瀬です。
先週の暑さとは打って変わって涼しい日々が続いております。
この気温のジェットコースターに翻弄(ほんろう)され、
体調を崩しやすい時節です。
村瀬もちゃんと、崩しております。
「お薬友達」であった前教頭(昨年度ぶつぶつ参照)がいなくなり、
飲み忘れてしまう日が多々あることも影響をしているのかもしれません。
調子が悪いのは、体調だけではありません。
ここのところ、様々な場面で空回りが続く村瀬です。
世間では「スランプ」という言葉がよく使われますが、
スランプは「活躍」がまずあってのものなので、
村瀬には「空回り」がぴったりでしょう。
書類の作成、学校の運営計画、授業などなど、
よいアイディアが浮かばず、
ミスも多く、
周囲にご迷惑を掛け続ける日々が続いており、
四方八方に、いえ十六方に頭を下げ、
穴があったら入りたいけど、
適度な穴がないからお風呂に入り、
茹(ゆ)であがりそうになりながらひとり反省会を行うこの頃です。
昨日も、作成していたはずの書類データがない、
というハプニングに朝から巻き込まれました。
なんてことはない、保存をし忘れていた、
という解答にすぐたどり着きました。
今日もそんな一日かと、深くため息をつき、
再び書類を作ろうかと思うけれどもやる気がでず、
ぼーっと職員室の窓から外を見ておりました。
そして気付きました。
いや、気付かぬふりをしていたといったほうがいいのかもしれません。
みどり、モジャモジャじゃん!
モジャモジャのみどりからツンツンのみどり、
めちゃくちゃ飛び出してるじゃん!
このままパソコンに向かっていても、
きっと繰り返しやらかすに違いない。
幸い、天候はくもり、村瀬が担当する授業も今日はない。
重い身体を無理矢理外に連れていき、
今年度初めて、
「かりあげくん」(電動ばりかん)と戯(たわむ)れることにしたのでした。
村「やあ、かりあげくん、久しぶりだね」
か「ヤア、ムラセ、アイカワラズヤラカシテイルノカイ?」
村「ああ、見事にね。今年もよろしくね。
ぼくの指、刈(か)らないでね」
(これについての物語は前任校ぶつぶつ参照)
か「ソレハ、キミシダイダロ」
なんて倉庫内でこっそり会話を楽しんだあと、
早速、職員室前の植え込みのモジャモジャと、
かりあげくんを味方に戦います。
ぐんぐんぐんぐん、刈り上げていきます。
放課に入ると、低学年ボーイたちがやってきて、
「村瀬、何してるの?」
と、問い掛けてきました。
村「暑いから、散髪(さんぱつ)してあげているのさ」
ボ1「髪なんてないよ」
ボ2「そんなに切ったらかわいそうだよ」
村「安心したまえ、植物はそんなにやわじゃないのさ。
雨が降って、陽が差したら、また元通りさ。
かなしいけど」
ボ3「わ、村瀬、花まで切ってるひどーい」
村「いや、少年。気持ちはわかる。
しかし、しかしだ、これは大変危険な植物なのだよ。
これは『イバラ』といってだね、
この茎(くき)の部分をごらんよ。たくさんトゲがあるだろう。
これが繁殖したら、きみたちを怪我させてしまうかもしれない。
ほら、『美しいバラにはトゲがある』なんて言葉があるだろう。
まさにこのことを言っているのさ。
知っての通り、美しいものをこよなく愛す村瀬だから、
今までどれだけのトゲが刺さってきたことだろう?
いや、そんなことはさておき、
そりゃあ、村瀬だって、そのまま残しておいてあげたいさ。
しかし、きみたちの安全のため、
断腸の思いで刈り上げているのさ。
そこのところ、分かってくれるかい、きみたち?」
と、言葉を返しながら振り返ると、そこには誰もいなかった、
といういつものやり取りをはさみつつ、
他の植え込みにも次々に突入していきました。
作業中、来賓玄関から校長先生に呼ばれました。
むむ、ボーイたち、花を散らしている村瀬のことを訴えたのか?
やってくれるじゃないか。
恐る恐る校長先生のところへ向かうと、
そこにはお客様がいらっしゃいました。
それは、村瀬が中学校時代大変お世話になった、
恩師のH先生でした。
現在は日進市の人権委員を務めておられ、
その関係でご来校いただいたとのことでした。
懐かしい邂逅(かいこう)を喜んだあと、
H先生は村瀬の現状を見抜いたのでしょうか。
こう声を掛けてくださいました。
「動けよ。
動いて、汗かけよ」
その言葉を聞いて、はっとした村瀬です。
悶々(もんもん)と考え込むのではなく、
動く元気があるのなら、まず動いてみる。
それが何かの、誰かの役に立つのであれば、
そんなに素晴らしいことはないではないか。
その上、動いているうちに、
気持ちが整理され、思わぬ知恵が生まれる、
ということもよくあることです。
H先生の言葉に励まされるとともに、
「村瀬、ありがとう」
と、休憩時間に教室の窓から声を届けてくれる子どもたちや、
散らかした草を片付けてくれた子どもたちや用務員のYさんの優しさのおかげで、
どうにか、植え込みをきれいにすることができたのでした。
そして、村瀬の心にも陽射しが届いた気持ちになったのでした。
動くって、大切ですね。
まあ、そのおかげで、身体はバキバキですし、
昨日の作業後雨が降り、今日は見事な晴れ模様。
こりゃ、即、モジャモジャにもどるな・・・。
しかし、また動く機会が生まれるじゃないか。
と、今日は何だか前向きな村瀬なのです。
それでは、また。