東の方でぶつぶつぶつ・・・

ちょっとした宝物。

2025年1月21日 11時47分

こんにちは、村瀬です。

今週は暖気が広がっているそうで、

三月上旬の気候が続くと聞きました。

丸まった背中が、少し伸びている気がします。

 

さて、3学期が始まって2週間ほどが経過しました。

冬休みの充電が少しずつ切れはじめ、

体調が思わしくない子どもも少し増えたかな、という感があります。

村瀬のバッテリーはすでに空(から)となっております。

いや、そもそも、ぶつぶつした通り、

充電できずにスタートを切ってしまったのかもしれません。

ここのところ、腰の状態も芳(かんば)しくなく、

時折、パソコンを棚の上に置き、

立ちながら仕事をすることもあります。

立ちながら仕事をすると効率があがる、ということで、

村瀬スタイルを推奨(すいしょう)したオフィスが紹介されるのを見たことがあります。

流行の最先端をいっているわけですが、

一向に効率はあがらず、疲労感が増強されているのはどうしたわけでしょう。

 

考えてみれば、

今から10年以上前、

かつて村瀬が東小学校で6年生を担任していたとき、

初めて腰をやらかしたのでした。

お風呂に入っていて、湯船から出ようとしたとき、

全身に電撃(でんげき)が駆(か)けめぐりました。

足を上げることが困難となり、また、座ることも困難となり、

湯船に立ち尽くす、という状況に陥(おちい)りました。

さらには、そのとき家に誰もおらず、

1時間以上同じ姿勢で立ち尽くすことになりました。

その後相方が帰宅し、うめき声を聞きつけて風呂場にやってきましたが、

類人猿(るいじんえん)のように軽く背中を曲げ、肩をすぼめて首を落とし、

すっぽんぽんで立ち尽くす男を見て、助ける前に腹を抱えて大爆笑したのでした。

その後、医師から「へるにあ」という診断をちょうだいしました。

同じ学年を組んでいた担任陣全員が「へるにあ」を患(わずら)っていたことから、

当時流行していた映画のタイトルをなぞり、

学年を「へるにあ国」と命名し、

「新しい国王の誕生だ! へるにあ国、ばんざーい!」

と、意味もなく騒いでいたことは懐(なつ)かしい思い出です。

 

しばらくの間、歩くこと、物を運ぶこと、黒板に字を書くこと、などなど、

学校生活の基本動作がどれも困難な状況でした。

それをサポートしてくれたのは、他でもない、

子どもたちです。

職員室に訪れ、必要な物を運び、階段を登るときにはサポートしてくれました。

「福祉実践教室で学んだことが生きた!」

と、喜んでくれる子どももいました。

廊下を移動するときにはキャスター付きのチェアに村瀬を乗せ、押してくれました。

気分は「三国志」に登場する偉人「諸葛亮公明」です(ご存じですか?)

「ゆけゆけー!」と調子をのっていたところ、

危うく階段から落とされそうになりました。

授業中、村瀬の代わりに板書をしてくれた子もいます。

「村瀬の数倍見やすくてきれい」

と、好評を得ました。

 

何もかつてのオレンジキッズだけではありません。

思いやりの精神は、現在の東小に通う子どもたちの中にも、

しっかりと根付いています。

大量の荷物を抱えてうろうろしていると、

「持ちましょうか?」と声を掛けてくれたり、

何も言わず、扉を開けてくれたりと、

さりげなくサポートしてくれる子どもが大勢います。

前にもぶつぶつしましたが、

担任が不在のときに、自分たちで助け合う学級も多く、

補助に入った先生を大いに支えてくれます。

 

先週、のどの調子がすこぶる悪く、声が出づらかったのですが、

授業中、村瀬がしゃべろうとするときに、

「静かにして」と声を掛けてくれるクラスばかりでした。

さらには、村瀬が指示した言葉が、

きっと全体に届いていないと判断したのでしょう、

3年生の少年が、「スピーカー」となって再度みんなに伝えてくれました。

まあ、その指示が、全然違うものだったことは、ご愛嬌(あいきょう)です。

 

学校で働いている私たち教員にとって、

疲労困憊(ひろうこんぱい)の心身に対して、

何よりの薬であり、栄養となるのは、

子どもたちのやさしさや、

子どもたちとの些細(ささい)なやりとりのような気がします。

もらったやさしさや、ほっこりするエピソードを宝物にして、

しんどいことはあるけれど、今日も教壇に立っている。

そんな先生が、村瀬以外にもきっと多くいることでしょう。

 

今日もちょっとした「宝物」と出会うために、

子どもたちと教室で過ごす先生たちと、

腰をたたきながら校舎を徘徊(はいかい)する村瀬なのです。

 

それでは、また。

二十歳の集い。

2025年1月14日 12時25分

こんにちは、村瀬です。

朝晩の冷え込みはさすがに厳しいものがありますが、

日中は穏やかな季候で、

校舎の中にいるより外で「日向(ひなた)ぼっこ」をしていたくなるような、

温かい陽射しが注いでいます。

3学期が始まってから、

今日でちょうど一週間です。

前週に体調を崩していた子どもたちの多くが復活し、

元気な顔を見せてくれました。

そんな久しぶりの登校を果たした子どもに、

来て早々「学力テスト」を行わせるという鬼の村瀬です。

(採点等のスケジュールがあるので、仕方ないのです・・・。)

 

バチが当たったのでしょうか、

村瀬、現在、声が出ません。

無理して発声していますが、

強烈なのどの痛みを伴い、音声もしゃがれまくっております。

先程、市役所の方からお電話をいただきましたが、

村瀬の発言に対して、

「はい?」

と、何度も問い直しされました。

それくらいのレベルでございます。

明日から外国語の授業が始まりますので、

緑茶でうがいをしたり(村瀬が信じている民間療法)、

のど飴をなめまくったりしながら、

ケアに努めている次第です。

 

さて、二日前の日曜日の話です。

夜も明けきらぬ暗闇の中、

村瀬は目を覚ましました。

何やら外が騒(さわ)がしい様子です。

気にはなりますが、

外に出るには寒すぎますし、

何だか幸せな夢を見ていたので、

再びその世界に戻ろうと布団に潜(もぐ)ります。

しかし、騒々(そうぞう)しさが収まる気配がありません。

まったくもう!

と、思い切ってベランダに出て、

様子をうかがいます。

そしてすぐに、その理由を突き止めました。

 

村瀬の隣家は美容室です。

駐車場にちらりと見える振り袖(そで)姿や袴(はかま)姿。

そうです。

成人式(二十歳の集い)のため、着付けを行っているのでした。

(村瀬が住む市では、日曜日に行われたようです。)

 

村瀬はすでに「不惑」(ふわく)をゆうに越えておりますので、

自分自身が成人式に参加したのは、遙(はる)か昔の出来事です。

それでも当日の記憶がいくらかあります。

一番覚えているのは、

久しぶりの友人たちとの再開に浮かれ、

意味もなく飛び跳(は)ねまくり、

誰かの肩にあごをぶつけ、

その拍子に下くちびるを思い切り噛(か)み、

血だらけになった、

ということでしょうか。

その際には、

「お前、まったく変わってないな」

と、多くの友人に呆れられました。

あれから、もう一度成人式を迎える以上の年月を過ごしてきましたが、

今でもきっと同じような過(あやま)ちを繰り返し、

同じような講評(こうひょう)を得るに違いありません。

人の本質は、なかなか変えられるものではありませんね。

 

村瀬は今まで、6年生の担任を5回務め、

子どもたちを卒業生として送り出してきました。

そのうち、3つの学年がすでに成人式を終えています。

最初に送り出した卒業生は、

現在、30歳を越えております。

時の流れの速さに驚き、恐ろしさを感じてしまいます。

彼らもきっと、

「老化」という魔の手がせまっていることに気付き始めていることでしょう。

2、3回目に送り出した卒業生は、

東小学校の子どもたちです。

2回目の卒業生の成人式には招待していただき、

久しぶりの再会を果たすことができました。

当時の担任陣と卒業アルバムを手に参加し、

当時の面影(おもかげ)のある子や、

大きく変貌(へんぼう)を遂(と)げた子などを見つけては、

大騒ぎして楽しませていただきました。

3回目の子どもたちは、

例のういるすの仕業により、大々的に式を行うことがかなわなかったようで、

実に残念でした。

 

小学校を卒業してからおよそ6年で成人(18歳)を、

8年で20歳を迎えます。

随分(ずいぶん)先のようにも感じるでしょうが、

本当にあっという間です。

あれほど頼りなかった子が、

実に堂々とした青年になっている。

そんな姿を見ると、やはり嬉しくなります。

それと同時に、

今一緒に過ごしている子どもたちのことを考え、

「あせらなくてもいいよ」

という言葉を、

子どもにも、保護者の方にも、

同僚にも、自分自身にも掛けたくなります。

身体の成長だけでなく、

心の成長も、

人それぞれです。

花が開くタイミングもそれぞれちがうものです。

そのことを忘れ、

ついつい、周りと比べてしまったり、

早く成長してほしいと、追い立ててしまったりしがちですね。

長い道のりです。

小学校の段階では、まだスタートを切ったばかりの位置にいます。

出遅れたところで、

いくらでも取り返しのつく場所にいるわけです。

のんびりと歩き、いろいろな風景を見て、

たくさん心を動かしていた方が、

その先を進んでいく上で、

プラスに働くこともきっとあるのだと感じます。

あせらなくてもいい。

それに、ただそこにいてくれる。

それだけで十分、

誰かを励(はげ)まし、支える存在になっている、

ということも併せて伝えたいと思います。

 

そんなことを、

駐車場で笑う振り袖あんど袴姿の青年たちと、

かつての卒業生の姿を重ね、

白い息を夜空に浮かべながら、長い時間思い返していたのでした。

 

あ、それで、風邪をひいてのどを痛めたのか?!

 

それでは、また。

冬休みの思ひ(い)出。

2025年1月7日 17時44分

ご無沙汰しておりました、村瀬です。

2025年がスタートしました。

オフィシャルぶろぐ「本日のオレンジキッズ」にも記しましたが、

思いの外、元気にはつらつとした子どもが多く、

朝から驚かされました。

「村瀬、明けましておめでとうございます。

 今年もよろしく」

と、6年生の少女から声を掛けられました。

喪中(もちゅう)であり、

新年の挨拶を控えていた村瀬でしたが、

あまりの爽(さわ)やかさに、

「おめでとうございます!

 こちらこそよろしくお願いします!」

と、爽やかにマナー違反を犯(おか)してしまったのでした。

とにもかくにも、

長期休暇明け、誰よりもうなだれていた村瀬は、

早朝から元気を分けてもらいました。

加えて元気をもらったのは、

これまた6年生の少女から、年賀状をいただいたことです。

そこには、ぶつぶつを愛読してくれているとの言葉が!

嬉しすぎて、

冬休み、だらだらになったせいで、

いつも以上に山積みにされている仕事を脇におき、

ぶつぶつし始めちゃった次第です。

 

さて、冬休みはいかがでしたでしょうか。

ご家族で素敵な思い出はできましたでしょうか。

穏やかに日々を過ごすことができたでしょうか。

「村瀬、海入ってきたよ」

「なんですと?!

 この時期に海水浴、

 さては、南国に旅立ったのであるな!」

「村瀬、雪遊びできたし、

 海鮮丼もおいしかったよ」

「なんですと?!

 雪に加えて海の幸を楽しむ、

 さては、北の大地に足を運んだのであるな!」

と、羨(うらや)ますぎる話もちらほら耳に飛び込んできました。

 

村瀬家の冬休みは、といいますと、

その対極にあるといっても過言ではありませんでした。

まず、開始早々、

相方がダウンしました。

流行の最先端を捉え、

インフルエンザとやらに感染してしまったのでした。

そして、息子まいける(通称)も、後を追うように。

ポンコツ家庭人で名高い、

父村瀬が出動せざるを得ない状況となりました。

何年か前、

相方とまいけるが、

例のういるすにやられてしまい、

父と娘まーがれっと(通称)による、

七転八倒の日々を過ごしましたが、

それが再びやってきたような日常でした。(A小学校過去ぶつぶつ参照)

比較的軽症であったのが幸いでしたが、

まーがれっとまでも引き込まれないように、

できる限りの隔離(かくり)政策がとられました。

 

「まーがれっとよ、

 外に出て運動じゃ!」

と、二人で寒さに震えながら、

まーがれっとの日誌の課題で出されていた、

「縄跳び」にトライした日がありました。

二重跳びに挑戦するまーがれっと。

失敗を繰り返していたので、

「はっはっはっ、まーがれっとよ、まだまだじゃな。

 どれ、父が手本を見せてやろうではないか。

見よ、この軽やかなハチドリのような舞いを!」

と、父村瀬は縄を回し、ぴょんぴょん跳び始めました。

「そいや!」

と、二重跳びを開始。

そして、2回目で引っかかり、

あげくには着地で足をぐねり。

「おのれ、謀(はか)ったな、縄跳びめ!」

と、叫ぶ父を白い目で見ていたまーがれっとなのでした。

 

何はともあれ、

父とまーがれっとは魔の手を振り切り、

どうにか健康なまま、年を越しました。

そんな正月のとある日、

「父上、

 このままでは日誌の思い出のぺーじに、

 何を書いたらよいかわかりませぬ」

と、まーがれっとがぼそりとこぼしました。

今年は喪中の身でありましたので、

初詣などにも行けません。

相方やポンコツ父に代わり、

家事を頑張っていたまーがれっとです。

少しは報(むく)いてあげたいと、

父はこんな提案をします。

「まーがれっとよ、

 そなたの愛好している、

 米国の漫画『落花生(らっかせい)』で活躍しておる、

 白と黒の犬の品々が売っている専門店があるじゃろう。

 どうじゃ、久しぶりに行きたいか?」

まーがれっとは珍しく喜び、

父は連れていったのでした。

店についてそうそう、

期待に輝いていたまーがれっとの目が、

みるみる曇(くも)っていきます。

「父上、一大事でございまする。

こちらをご覧(らん)ください・・・」

父は言われるがまま、店内のちらしに目を運びます。

「閉店のお知らせ」

と、記されているではありませんか!

その準備のためでしょう、

商品が多く片付けられ、

まーがれっとが見たかった商品のかけらもありませんでした。

お気に入りだった店舗がなくなることを知り、

まーがれっとは強く衝撃(しょうげき)を受け、

「これも父上のせいでございますわ!」

と、ひどい言葉を父に投げてきたのでした。

 

いかがですか、村瀬家の冬休みは。

なかなかのものでしょう。

何事もなく、穏やかな日々を過ごせたのなら、

十分幸せなことなんだと感じませんか。

 

ところで、年末年始、

病院に行ったり買い物に行ったりしたわけですが、

そこでつくづく感じたことがあります。

多くの人が華(はな)やいで過ごす日々の中で、

それを支えてくださっている人が大勢いる、ということです。

きっと、東小学校の保護者の皆さんの中にも、

世間のカレンダーに関係なく、

周りのために活躍していた方もいらっしゃることでしょう。

皆さんのおかげで、

冬休み、多くの笑顔が生まれたのだと確信します。

お疲れ様でございました。

それ以上に、ありがとうございました。

そんなご家庭で過ごしていたお子様たちよ、

どうぞ誇りに思ってくださいね。

 

そんなわけで、

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

余裕があれば、

このしょーもないぶつぶつも、

どうぞよろしくお願いいたします。

 

それでは、また。

2学期も、感謝。

2024年12月23日 14時30分

こんにちは、村瀬です。

今日も底冷えのする冬の季候となっております。

しかし、子どもたちの心はボカボカのご様子です。

そりゃそうですよね。

明日から冬休み。

今日で学校生活も一段落です。

 

まずもって、

東小学校の子どもたちが全員、

2学期を終えることができたことに、

心からほっとしております。

健康を害してしまった(現在進行形の子もいますが)り、

思うように事が運ばなかったりと、

順調とはいえないこともあったかとは思いますが、

全員が生きて年を越せる場所までこれたこと。

大げさではなく、

それは何より素晴らしいことだと感じます。

 

これは、ご家庭のサポートなくして、

ありえないことです。

陰(かげ)になり、日向(ひなた)になり、

日々、子どもたちを支え続けていただいたことに、

心から感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 

また、地域の皆さんや市役所をはじめとする行政機関の皆さんにも、

今学期も力強く支えていただきました。

その支えがあったからこそ、

学校運営をどうにか進めることができました。

誠にありがとうございました。

 

ついでに、

日常生活に何の影響も与えない、

このどうでもいいページに足をお運びいただいた、あなた様にも、

感謝を伝えたいと思います。

「村瀬、誰もいないトイレに『おはよう』って叫んだんでしょ?」

「ん? なぜそのことを3年生のあなたが知ってるの?」

「だって、お母さんが言ってたもん」

「村瀬、水道管に穴開けたんだって?」

「ん? なぜそのことを1年生のあなたが知ってるの?」

「お母さんが教えてくれたもん」

なんてやりとりを、時折子どもたちと交わすことがあります。

その度に、

「この超慌ただしい日々の中で、立ち寄って下さっているんだなあ」

と、感涙(かんるい)しておりました。

また、時折、応援のお言葉までいただくこともありました。

その温かさにも、落涙(らくるい)しておりました。

その喜びを原動力に、どうにか今学期も、

圧倒的に低いハードル(週に一度ぶつぶつ)を達成することができました。

そこの希有(けう)なお客様。

おだやかに見守り続けてくださり、

感謝、感激でございました。

ありがとうございました。

 

さて、いよいよ冬休みです。

今年は「奇跡の9連休」とアナウンスされているように、

年末年始をゆっくりできる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

子どもも大人も、

この一年で蓄積(ちくせき)してしまった疲労が、

少しでも溶けて楽になるといいですね。

加えて、それぞれのご家庭で、

一つでも多く笑顔になる思い出が創られることを、

心より願っております。

 

というわけで、

今年はこれにて、口を閉じたいと思います。

皆さん、

めりーくりすます、そして、良いお年を。

 

それでは、また。

お宝探し、再び。

2024年12月19日 18時55分

こんにちは、村瀬です。

「夏の暑さに反比例してあいさつの声が小さくなる」

ということを以前ぶつぶつしました。

その折に、

「冬の寒さに反比例してあいさつの声が小さくなる」

という予想を立てましたが、

見立て通り、

マスクを越えられない声量であいさつする子どもが続出しました。

ところが今週に入り、

日を追う毎に、ボリュームが上がり、あいさつを返してくれる子どもが、

着実に増えてきました。

どういうわけか、

答えは実に明確です。

待ちに待っていた「冬休み」が近づいてきたからです。

2学期も残り2日。

体調を崩さずに、お休み入ってほしいものですね。

 

さて、少し前の話です。

東小学校には名所がいくつかありますが、

その内の一つ、

「あしがら山」にて事件が起きました。

遊んでいた子どもが、

山中(さんちゅう)で「クギ」を発見したのです。

幸い、誰かがけがをしたわけではなかったのですが、

危険物が見つかってしまった以上、

ほかっておくわけにはいきません。

あしがら山一体を封鎖し、

しばらくの間「登山禁止」という措置をとることになりました。

 

あしがら山は、

子どもたちの大人気スポットです。

大放課には、登頂、下山を繰り返す子どもが殺到(さっとう)します。

なんだかみんな、楽しそうです。

このまま、封鎖を続けてしまえば、

「山ぼーいアンドがーる」の笑顔が消えてしまいます。

 

昨年度、

「運動場に眠る金属片をさがす」

というミッションを実施したことがありました。

さながら「PKO(国連平和維持活動)」で見られる光景のように、

「金属探知機」を使用して運動場を探索したことがありました。

現在は信州に生活の拠点を移された、

K先生を隊長に祭り上げて実施しました。

(昨年の10月あたりのぶつぶつ参照)

 

考えてみたら、そのとき「あしがら山」も探索範囲だったはずです。

そして、もっとよく考えて見たら、

その場所は村瀬が担当したのでした。

誰も信じてくれないでしょうが、

適当に行ったわけではありません。

村瀬にしては丁寧に活動したつもりでした。

けれども、クギが見つかったという事実がある以上、

責任は村瀬にあります。

ごめんよ、子どもたち。

きみたちの笑顔を取り戻すため、

村瀬、踏ん張るよ。

 

ということで、再び市役所から金属探知機をお借りし、

いざ、捜索開始です。

すると、早速、

「ピピーッ、ピピーッ」

と、反応がありました。

用意したスコップで、ホリホリしていきます。

あしがら山の地盤は固く、なかなか掘り進められません。

時折金属探知機を掘った場所に当てて確認すると、

まだ、「ピピーッ」と反応します。

そして、最終的に発見されたのは、

「プルトップ」ただ1つ。

労力の割に合わない物が出土され、村瀬はげんなりです。

この広大な範囲をこのペースでやっていたら、

日が暮れてしまうのではないか(開始時刻、午後3時)。

もうすでに、冷え込みが強いぞ。

このままでは、山間部で夜を越すことになるのではないか。

最近はどうもこの周辺に獣(けもの)が現れるらしい。

命の危機がそこまでせまっている!

あしがら山の麓(ふもと)で、

金属探知機とスコップを持ちながら、

パニックになりかけた村瀬に、

不意に声が飛んできました。

「村瀬、何やってるんですか?」

振り返ると、にやにやしながら近づいてくる、

6年担任のT先生が確認できました。

心に日々ふんぞり返っている悪魔村瀬が、

「しめた!」と叫びました。

村「おお、これはこれはT先生、

 よいところに来られましたな」

T「その手にしている物は何ですか?」

村「ああ、これかい?

 これは金属探知機だよ。

 これでね、この山に潜む危険物を捜しているんだよ。

 それにしても、T先生、

 どこかヒーローの面影(おもかげ)があるね。

 ほら、横顔とかさ。

 この金属探知機も似合いそうだ。

 いや、待てよ。

どちらかというと、

 スコップの方が馴染(なじ)みそうだね。

 もってごらんよ。

 わあ、やっぱりだ。

 この学校で誰よりもスコップが似合うよ。

 いや、市内で一番じゃないかな」

T「え、そうですか?」

照れるT先生に悪魔村瀬が畳みかけます。

村「どうだろうT先生、いや、ヒーロー。

 私と一緒に、子どもたちの安全を守るため、

 あしがら山を攻略してみないかい?」

T「いいですよ。

でもぼく、金属探知機、

使ってみたいですね」

村「いやいや、これはね、

 実はとてもでんじゃらす(危険)なんだ。

 どうやら使い方を間違えると、

 体中に電流が流れる仕組みになっているらしい(大うそです)。

 みんなのヒーローを危険にさらすわけにはいかないよ。

 ここは、『血管年齢が60代後半』と診断され、

 途方にくれている私が、その役目を引き受けよう。

 きみは、私が発見した危険箇所を、

 その手にしている、

通称『勇者のスコップ』で掘り進めてくれたらいいんだ。

 ほら、この音を聞いてごらん。

 今、ピーピーいったろ?

 この下に危険物が眠っているんだ。

さあ頼んだよ、東小のヒーロー!」

 

T先生は、まんざらでもなさそうな顔で、

力強く掘り起こしてくれました。

悪魔村瀬は、

「ここだよ、ここで鳴ったよ」「あ、ここも鳴った」

と、T先生に教えるだけです。

幾つも堅い地盤を掘っているうちに疲労も溜まり、

手を痛そうにしているT先生。

それを見事にスルーする村瀬。

こうして最高のコンビが誕生し、

無事にあしがら山一帯の調査を終えたのでした。

 

そんなわけで、あしがら山の安全は無事に確保され、

入山禁止の措置は解除されたのでした。

そして翌日から、

登山、下山を楽しむ子どもたちの笑顔が戻ったのでした。

めでたし、めでたし。

(ちなみに出土した品々は、

 オフィシャルぶろぐ「本日のオレンジキッズ」に紹介されております。)

 

ところで、T先生が村瀬になんだか冷たいのは、

どういうわけでしょう?

 

それでは、また。

珍しい光景。

2024年12月12日 15時09分

こんにちは、村瀬です。

今日は保護者会3日目です。

本日もお忙しい中お時間をつくっていただきありがとうございます。

明日まで、どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、相変わらず、感染症の暴風が吹き荒れている東小です。

残念ながら、早退者が相次ぎ、

明日から閉鎖される学級も出てしまいました。

早退者も相次ぎ、その対応をはじめ、

なんだかんだとてんやわんやの職員室です。

 

今日は慌てふためいていた教頭先生が、

給食センターに連絡を取ろうとして、

なぜか職員室に「内線」連絡をかけ、

それを斜め前に座っている事務のTさんが応対する、

という珍しい光景が見られました。

かくいう村瀬も、

連絡すべき内容を校内の電子掲示板に書き込んだつもりが、

全小中学校の掲示板に記す、

という行動をとってしまいましたが。

しかしまあ、こちらのやらかしは、すぐに自分で気付き、

おそらく誰にも気付かれていなかったので、

このまま闇に葬(ほうむ)りたいと思います。

ちなみにこの失敗は、年に1、2度やっております。

 

さて、本校は現在、4学級が閉鎖しております。

ですので、職員室に人が複数いる時間が長くなっています。

これもまた、最近の東小学校では珍しい光景です。

職員室にぽつんと一人になり、

お手洗いに行くことも憚(はばか)られる、

という状況が頻繁(ひんぱん)に起こっております。

複数の電話が掛かってきたら、お手上げです。

もしも学校に電話されたときに、

昼中にも関わらず誰も出ないというときは、

そういう状況にあるんだなあとご理解いただければ幸いです。

 

ところで、

閉鎖中の学級担任が何をやっているのか。

別に、暇でぼーっとしているわけではありません。

各クラスの子どもたちの健康状態をチェックしたり、

閉鎖開けの授業内容を考えたり、

村瀬のように頬杖(ほおづえ)をつきながら、

ぽかーんと口を開けてサボっていることなく、

皆さん働きまくっております。

自分の学級のこと以外にも、

学年や学校全体のサポートも買って出てくれています。

「補欠を組む」(過去ぶつぶつ参照)担当の村瀬が、

「困った困った。この時間は人が足りぬなあ。

 どこかに人はおらぬかなあ」

と、わざとらしく声を上げると、

「私行けますけど」

「自分も大丈夫です」

と、駆け付けてくれます。

「え? いいんですか?」

と、内心ニヤニヤしながら代役を依頼している、

悪徳教務主任と化した、今週の村瀬です。

 

さて、現在は保護者会中です。

その準備で、多くの担任陣は下校に参加することができません。

そんな中、閉鎖中の学級担任S先生とF先生が、

電話での懇談に切り替わったご家庭が多くあったのか、

時間に余裕ができたということで、

下校の全体指揮の役目を引き受けてくれました。

本来は村瀬がやるべきことでしたが、

「え? いいんですか?」

と、内心ニヤニヤしながらお願いしました。

 

初日、S先生は教員が少ない中、子どもたちを上手に指導して、

スムーズに下校させました。

 

二日目、F先生も、子どもたちをほめながら、

速やかに静かにさせることに成功しました。

が、この後、一体どういう話の流れだったか記憶にないのですが、

マイクを通して、次のような言葉を残しました。

「先生は今27歳で、すっかりおじさんになりましたが・・・」

この音声は、運動場だけでなく、

校舎内にも響き渡っていました。

この言葉を聞いた瞬間、多くの先輩教員がピクッと反応した様子です。

F先生が職員室に戻ったとき、

先輩教員陣に取り囲まれ、

「あなたがおじさんだったら、私たちは何?」

「あなたの倍近く生きている、私たちは何?」

と、散々とっちめられた、とのことでした。

あいにくその場にいなかったので、

そんな珍しい光景を、ニヤニヤしながら見たかったなあと思う、

悪徳教務主任の村瀬です。

 

さあ、そろそろちゃんとした業務に戻らないと、

真面目に懇談している保護者の皆さんや担任陣にとっちめられそうなので、

口を閉じます。

まあ、その光景は珍しくありませんが。

 

それでは、また。

暴風と寛容さ。

2024年12月10日 16時24分

こんにちは、村瀬です。

朝の冷え込みは老体に堪(こた)えましたが、

現在はとても穏やかな気候です。

紅葉する樹々がとても美しく映(は)えております。

 

そんな穏やかな校外の一方、

校内はとんでもない暴風が吹き荒れております。

インフルエンザをはじめとする、

感染症たちが大暴れです。

現在、4つの学級が閉鎖の措置となっております。

その勢いは、未だ衰えておらず、

明日はどうなることやらと、ハラハラしている教員陣です。

 

しかしそれはきっと、

我々だけでなく、保護者の皆様もかと思います。

村瀬も我が子「まいけるアンドまーがれっと」(通称)の学級が、

学級閉鎖となった経験をもありますので、

保護者の気持ちも分かっているつもりです。

 

まず真っ先に生じた問題は、

相方と父村瀬、どちらが在宅するか問題です。

村瀬家は共に働いておりますが、

どうしてもどちらかが家にいる必要があります。

我が家の場合、午前の部、午後の部に分けて、

どうにか難局をしのごうとした覚えがあります。

しかし、相方も感染し、

結局、一番役に立たない父以外、

全員が床に伏(ふ)した状況に陥(おちい)りました。

ちなみに、自慢(じまん)ですが、

村瀬は不惑(ふわく)を越える今に到るまで、

インフルエンザに一度も感染したことがありません。

感染中のまいける、まーがれっとと共に寝ていたとき、

両者から超至近距離でせきをされ、

飛沫(ひまつ)を顔面に何度も浴びましたが、

しっかりと耐え抜きました。

村瀬唯一の長所といっていいかもしれません。

まあ、その代わりに、

扁桃腺(へんとうせん)を腫(は)らすという特技も有しておりますがね。

 

そんなことはさておき、

とにかく学級閉鎖の措置は、各ご家庭に大きな負担を掛けます。

我々も、申し訳なさを強く感じております。

ちなみに今回は、クラスによって期間が異なりました。

それは、その状況に到るまでの、

学級のこどもたちの欠席状況や体調の情報を基に、

学校医様が判断してくださった結果です。

ピークが過ぎている状況なのか、

それとも、これからピークを迎えそうなのか、

そういった状況を見極め、期間を決定していただきます。

後者の場合、期間が長くなってしまうわけです。

「もう少し、短くしていただけませんかねえ。

 せめて、2日とか、どうでしょう?」

と、交渉したいところではありますが、

子どもたちの健康・安全に関わる問題ですので、

そういうわけにはいかないことをご理解ください。

 

さらに今回は、不運が重なり、

保護者会と同時期の流行となってしまいました。

ご家庭によっては、ご来校がかなわず、

電話での懇談となってしまいました。

また、健康状態を毎日報告していただかなければならず、

ご負担を掛け続けております。

 

にもかかわらず、

どのご家庭も、言いたい思いをぐっと飲み込んで、

こちらからのお願いを粛々と受け入れていただいております。

本当に、ありがたい限りです。

今回の件に限らず、

様々な場面で見られる保護者の皆さんの寛容さを、

村瀬も見習わなければと痛切に感じるとともに、

子どもたちにも養いたいと思います。

 

それにしても、

この暴風がおさまって、

校内も穏やかな日常が早く戻ってきてほしいなあ。

 

それでは、また。

バスの中より。

2024年12月6日 09時04分

おはようございます、村瀬です。

本日は一段と冷え込みがキツくなりましたね。

起きたらなぜか、靴下をはいていました。

無意識の村瀬も、寒かったのでしょうね。

 

さて、昨日、

隙があったらまたぶつぶつするとぶつぶつしましたが、

早速隙があったのでぶつぶつしている次第です。

現在村瀬は、バスに揺られております。

オフィシャルぶろぐ「本日のオレンジキッズ」に記した通り、

4年生の校外学習の引率に紛れ込むことに成功しました。

 

何度もこぼしているように、

東小学校は空前の人手不足に落ちいっております。

今日も「補欠を組む」(過去ぶつぶつ参照)状況でしたが、

村瀬は引率者ですので力になれません。

「教頭先生、誠に申し訳ない。

 この人手不足の折に、後ろ髪を引かれる思いですが、

 村瀬はただいまより、

 荒れ狂う木曽の川を治めようと命懸けで尽力してくださった、

 薩摩藩の人々に手を合わせてこなければなりませぬ。

 後のことは任せましたぞ!

 これにて御免(ごめん)!」

と、仕事を押し付ける形で飛び出してきました。

 

そんなこんなで、現在、名古屋高速道路上です。

村瀬が乗車しているバスの子どもたちは、

めっちゃんこお利口ですので、

あーだこーだ言う必要がありません。

なんなら、支援級担任のT先生が同乗してくださっており、

的確な指示を出してくださるので、

村瀬はますます、やることがありません。

ということで、こうしてぶつぶつできているわけです。

 

バスは一路、木曽三川公園に向かっております。

村瀬は13年振りの来園です。

13年前、村瀬はこの東小学校で、

4年生の担任をしておりました。

クラスには、なんと41人の子どもが在籍しておりました。

当時は一学級あたり、40人の在籍が認められており、

途中で1人仲間が加わったのでした。

(翌年から3学級になりました。)

教室(北館2階)は、まさに「すし詰め状態」。

机の間を通ることもままらない状況でした。

それでも毎日ワーキャー楽しくやっていたことを、

懐かしく思います。

 

そういえば、木曽三川公園で昼食を食べていたとき、

見事に弁当をひっくり返していた子、いたなあ。

村瀬の愛情たっぷりコンビニおにぎり、あげたっけ。

ん? あいつ、まだ恩返しに来てないぞ。

 

なんて、車窓を流れる名古屋の街並みを見つつ、

13年前をしみじみ振り返っている村瀬です。

それにしても、4年生、お利口だなあ。

それでは、また。

仲間が増えたよ。

2024年12月5日 16時56分

こんにちは、村瀬です。

本校のカラーを意識しているのでしょうか、

東小学校の運動場の南側に、

(ほぼ)背の順で並んでいるプラタナスの木々が、

とてもいい感じでオレンジに色づいています。

「遊歩園」の雑木林も同様で、

少しだけ遅いですが、紅葉を楽しめる近頃の東小です。

お近くにお寄りの際は、ぜひご覧くださいませ。

 

さて、久しぶりのぶつぶつになってしまいました。

「週に一度は更新」

という、極めて低いハードルを、

危(あや)うくまたぎ損(そこ)ねてしまうところでした。

サボりまくっていたツケがちゃんと巡ってきたのでしょう、

ここのところ、いつも以上に、

バタバタ、いや、ドタバタ、いや、ジタバタしています。

そうこうしている間に、

月も変わって「師走(しわす)」に突入していました。

 

前回のぶつぶつから、およそ10日程経過しておりますが、

この間、一体何があったでしょうか。

振り返って最初に頭に浮かんだのは、

オレンジキッズの仲間が増えた、ということです。

 

今週始め、2年生と3年生にそれぞれ転入生を迎え入れました。

3年生に加わったお子様は、

転入早々、

「村瀬の外国語」という難題をぶつけられました。

相変わらずの「大和魂」(やまとだましい)あふれるイングリッシュに、

度肝(どぎも)を抜かれたことでしょう。

あまりにも申し訳ないので、

「きっと前の学校と全然違うでしょ。

 インチキな外国語の授業でごめんね」

と、授業後謝罪したところ、

満面の笑みでうなずいてくれました。

笑顔が見られてよかったと思うと同時に、

「インチキ」を深く肯定されて、

複雑な気持ちになったのでした。

 

とにもかくにも、

2人はこれまでもオレンジキッズだったかのように、

すでに馴染(なじ)んでいる様子です。

その適応力の高さに憧(あこが)れを抱く村瀬です。

 

あとは、一体、何があったっけ?

先週は行事ウィークでみんないろいろ出掛けていたけど、

村瀬はお留守番だったなあ。

日々、図画工作と外国語の授業に翻弄(ほんろう)され、

ボロボロになったなあ。

外国語の授業が頭にこびりつきすぎて、

図画工作の授業中、ハサミを手にしながら、

「このシザースを・・・」

なんて、思わず口から飛び出ちゃったなあ。

とある保育園に届け物をするために出向いたとき、

「変なおじさんがきた」

って、すれ違った少年に言われたなあ。

「そうです、私が・・・」とは、

肯定できなかったなあ。

 

なんて、どうでもいいことを振り返っている間に、

机の上に書類が積み上げられてきました。

見て見ぬふりをできぬ量です。

本務に戻らねばならぬときがきたようです。

また、隙を見つけてぶつぶつをこぼしたいと思います。

 

それでは、また。

当たり前のこと。

2024年11月26日 12時44分

こんにちは、村瀬です。

村瀬の背がどんどん丸まってきております。

すっかり冬ですね。

そんな中であっても、

半そで・短パンボーイあんどガールが、

いつの世でも一定数いるものです。

「村瀬、寒いよ」

朝方、とある半そでボーイが訴えてきました。

「じゃあ温かい服、着なさいよ」

と、言うのが真っ当な返答でしょうが、

「気合いが足りん!」

と、喝(かつ)を入れた、

はるか昔、半そで・短パンボーイだった先輩の村瀬です。

 

今日も東小学校には、

いつものように子どもたちの笑い声が響いています。

寒さに負けず、大放課には多くの子どもが、

運動場を走り回っています。

廊下ですれ違うと、「こんにちは」とあいさつをしてくれたり、

全校のために係や委員会活動に励(はげ)んでくれたりしています。

 

今朝、久しぶりに職員室の前に立ってあいさつをしました。

冒頭の少年だけでなく、

何人もの子どもが村瀬に声を掛けてくれました。

「村瀬、久しぶりじゃん」

「村瀬、元気?」

「村瀬、早く図工やってよ」

「村瀬、お菓子(かし)の名前教えて。

みんなで72個言えたよ」

当たり前の会話に、

村瀬は元気をもらいました。

 

私事の話で恐縮ですが、

つい先日、身近な人が他界しました。

そのため、しばらく学校から離れておりました。

急な出来事で、

今でもどこか信じられず、

現実として受け入れがたい思いを抱えています。

そんな状況だからこそ、

東小に広がる「いつも」の光景や「当たり前」の会話が、

まぶしく思えます。

 

本当はどこにも、

「当たり前」のことなんてない。

今日穏やかな日だとしても、

明日も続くとは限らない。

そう理解しているはずなのに、

すぐに忘れてしまいます。

くだらないことで笑えること。

ちょっとしたことで腹が立つこと。

うまくいかず落ち込むこと。

ただただぼーっと過ごすこと。

そんな日常を送れるが、どれほど素晴らしいことか。

勉強や運動が苦手でも、

思うような活躍ができなくても、

この世界に生きている。

それだけで、どれほど尊(とうと)いことか。

そんなことを、今、痛切に感じています。

 

「村瀬、また『やらかしちまった話』聞かせてよ」

そう言って4年生の少年が通り過ぎていきました。

「おうよ、任せとけ!」

心のどこかに穴が空いてしまい、

北風のような冷たさがスースー吹き抜けるこの頃ですが、

こうした子どもたちとの当たり前のやりとりが、

少しずつその穴を塞(ふさ)いでくれることと思います。

そういえば、運動会のとき、

区分けのためのロープを巻き付ける杭(くい)が、

水道管を破損させたんだっけ。

それ、打ったの、村瀬。

よし、この話をしてあげよう。

(日進市教育政策課の皆様、ゴメンナサイ。

 迅速に対応していただき、ありがとうございました。)

 

それでは、また。

ゴーゴーゴー。

2024年11月19日 12時25分

こんにちは、村瀬です。

一気に気温が低下しましたね。

いよいよ布団から出られない日々が始まってしまいました。

長く続いた半そでライフも今週で幕を閉じることになるのでしょうか。

 

さて、本日の学校は祭の後のような、

静かな雰囲気となっております。

それだけ、16日の運動会が盛り上がり、充実したものだった、

ということのように感じます。

すでに、オフィシャルぶろぐ「本日のオレンジキッズ」に記しましたが、

PTA役員の方々をはじめ、保護者の皆様のご支援、ご協力のおかげで、

素晴らしい雰囲気の中、子どもたちが活躍を見せることができました。

改めて感謝申し上げます。

ありがとうございました。

また、土曜日ということもあり、

多くの来賓の方や、

以前東小に勤めていた先生方や、現在子育てに奮闘中の先生方に、

ご参観いただくことができました。

子どもたちもとても嬉しそうでした。

 

市政30周年記念大会となった今回は、

おかげ様で実に平和な大会になりました。

大きなトラブルと言えば、

プールのトイレがつまったことくらいでしょうか。

しかしまあ、これは昨年度も起きたことであり、想定内でした。

朝の準備中、

テントの上に溜まった雨水を村瀬がかぶったことや、

本来本部でどしっと構え、

会全体の進行に指示を出す体育主任が、

気がつけば席におらず、

楽しそうにカメラで子どもたちの撮影に励んでいたことなど、

小さなハプニングは多々ありましたが、

滞りなく運動会を進めていくことができました。

 

今年度は久しぶりの全校揃っての土曜日開催ということもあり、

各競技や表現に対する声援や拍手が一段と大きく聞こえました。

そんな中で、こちらも久しぶりでしたが、

「にっしん体操」

をみんなで行いました。

かつて村瀬が東小で担任をしていた際、

おそらく創立100周年記念の頃だったと思いますが、

東小の運動会で初めて行ったと記憶しております。

「にっしん体操」の考案者の方にお越しいただき、

全校でレクチャーを受けました。

その折に、体操の中で、

「ワクワク」や「日進」などの掛け声を入れると良いと教わりました。

その時、担任村瀬は、

クラスや学年の子どもたちに、

「いいか者ども、

 どこの学年よりも叫び、

 楽しく激しく体操するのじゃ!

 日進愛を示すのじゃ!」

と、ハッパをかけまくった覚えがあります。

ですので、その頃の卒業生は、

にっしん体操の曲が流れると、

自然と身体が動き、

むやみに絶叫することと思います。

 

また、こちらも久しぶりに、

「ゴーゴーゴー」

の歌声が運動場に響き渡りました。

元々、2年生の競技の際に、

待機している子どもたちが歌うのみの予定でしたが、

2年担任のK先生の呼び掛けで、

気が付けば歌の輪が全校に広がっておりました。

  

この「ゴーゴーゴー」という曲、

村瀬はとんでもない名曲だと感じております。

年末恒例の国民的歌番組でも歌われるべきだと考えております。

 

前奏が流れると、一瞬にして気持ちが運動会モードに切り替わります。

熱くたぎるものが心に広がっていきます。

担任村瀬だった頃は、

毎年歌われていました。

ですので、運動会が近づいてきますと、

「いいか者ども、

 誰よりも叫んで仲間を鼓舞するのじゃ!

 音程なんぞ気にするな!

 とにかく叫べ、叫ぶのじゃ!」

と、子どもたちを焚(た)きつけておりました。

そして、隙があれば曲をかけて歌わせたり、

「道場破り」と称して、他のクラスや学年に赴(おもむ)き、

合戦させたりしていたのでした。

ですので、その頃の卒業生は、

「ゴーゴーゴー」の曲が流れると、

自然と手を後ろに組み、身体を反(そ)らせ、

むやみに絶叫することと思います。

(最近、炭酸栄養ドリンクのCMにこの曲が使用されていますが、

 反応して急に叫んだりしていないか、多少心配しております。)

村瀬にとって、なんだか懐かしい気分になる時間が多く、

今回の運動会は、より一層胸が熱くなるものとなったのでした。

やっぱり、運動会って、

いいですよね。

それでは、また。

深呼吸。

2024年11月11日 15時56分

こんにちは、村瀬です。

半そでで過ごしています。

11月中旬に、普通に半そでです。

先週末は、長そでを重ねて着ていたのに、

今日はTシャツです。

村瀬の老体ボディーには激しいダメージとなる寒暖差です。

疲労回復もうまくいっていない様子です。

 

昨日の起床時の話です。

目覚めると時計が7時半を指していました。

おいおいおいおい! やべえやべえやべえ!と、

慌てて布団を払いのけて着替え、洗面を済まし(ここまで10分)、

瞬間でエネルギーをチャージできるというゼリーを猛烈な勢いで吸い込み(ここまで10分10秒、

歯を磨き(ここまで12分10秒)、

玄関を開けて車に飛び込み(ここまで14分10秒)、

エンジンを掛けて最初の交差点に差し掛かったとき(15分10秒)、

交通量の少なさで気付きました。

日曜日だということに。

まあ、夢の中でも学校にいたことが影響していたと思いますが、

疲労もここまで溜まっているのかと、ハンドルを握りしめて震えた、

休日の村瀬です。

 

間もなく運動会ということで、

いつも以上にドタバタしている学校であり、村瀬です。

そういうときに、やらかすことが多いことは世の常ですね。

先週の金曜日にお配りした運動会のプログラムに誤りがあったのは、

すでにコドモンでお伝えした通りです。

はい、やらかしたのは村瀬です。

申し訳ございませんでした。

 

やらかしたことに気付いた同日、

外国語の授業の際、

図画工作の用具を持って教室に向かってしまいました。

教室に入る手前で気付きましたが、

数人の子どもにも気付かれてしまいました。

そのとき、一人の少女が、

「先生、落ち着いて。

 ほら、深呼吸するんだよ」

と、職員室に戻ろうとする背中に言葉を掛けてくれました。

村瀬は、ハッとしたのでした。

 

慌(あわ)ただしい状況の中こそ、

一呼吸置く。

これが問題の発生を防ぐ一つの有効な手段であり、

子どもたちにもよく伝えていることです。

それをすっかり忘れて、

浅い呼吸で行ったり来たりの毎日。

そりゃあ、やらかすのも無理はないことです。

ただ勢いに任せるのではなく、

時に冷静に状況を判断すること。

行事前の今こそ、

そう言い聞かせたいものです(もちろん、自分自身にも)。

 

少女のアドバイス通り、

廊下で2、3度深呼吸して、

職員室に向かいました。

おかげで、授業はどうにかなったのでした。

 

さて、つい先程の話。

市民会館から電話がありました。

「あの、村瀬発、○○(業者さん)宛てのFAXが、

 こちらに届いているんですけど・・・」

「大変申し訳ございません!!」

電話を切った後、速やかに深呼吸です。

すーーー、はーーー。すーーー、はーーー。

いや、問題が起こる前にやらなきゃだめだよな。

今日もちゃんとやらかしている、村瀬なのでした。

 

それでは、また。

トイレの神様。

2024年11月6日 14時49分

こんにちは、村瀬です。

11月というのに、現在は半袖で過ごしております。

そのくせ、明日の予想最低気温は1ケタだそうで、

寒暖差に悲鳴をあげまくっている老体の村瀬です。

 

さて、今朝の話です。

5年担任のJ先生が村瀬に詰め寄ってきました。

「村瀬、大変です。

 北館2回のトイレの臭(にお)いがひどすぎます」

「先生、それは十分過ぎるくらい知っておりますよ。

 北館のトイレの臭いといえば、

 東小を語る上で外せないほどの歴史がありますからね。

 レトロな「市電」に継ぐ名物となりつつありますよ。

市内でもそこそこ名を轟(とどろ)かせていると思いますよ。

しかし、「臭い」というともう字面(じづら)からして、

良い気分になれませんな。

「くさい」とも読めてしまいますからな。

せめて、『香(かお)り』と言いましょうか。

北館のトイレの香り。

うん、少しイメージがよくなりましたな」

「いつもの臭い以上に強いんです。

 なんなら、階段下や教室までひどいにおいが漂ってきます。

 どうにかなりませんか?」

「いつもの香り以上にですか。

 それは困りましたな。

 きっとなんともならないけれども、

 何か策を考えましょう」

 

村瀬は現状を確かめるために北館へと出向いたのですが、

J先生の言う通り、いつも以上の臭い、いや、香りが漂っていました。

 

北館で生活する2年生や5年生、また、その保護者の皆さんには、

大変心苦しいのですが、

ずいぶん前から北館のトイレの悪臭については、悩まされております。

J先生をはじめ、北館の先生方は、

少しでも子どもたちが苦しまないようにと、

念入りに掃除をしたり、芳香剤を活用したりして、

どうにか日々対応してくれています。

 

その現状を何度も市役所に掛け合い、

何度も業者さんに見てもらってはおりますが、

大規模な工事をしない限りは改善が難しいとの見解です。

巨額な税金を投じなければならない事案ですし、

本校だけがボロボロならばいいのですが、

市内には似たような状況にある学校がいくつもあります。

ですので、簡単には解消できることではありません。

 

それを重々理解しながらも、

施設面で困ったときは、

市役所の学習政策課に相談の連絡を入れてしまう日々です。

改善策なんて浮かばない村瀬は、

今日も即座に電話してしまいました。

そして、電話に出てくださったO様に窮状(きゅうじょう)を訴(うった)えます。

当然ですがO様も東小の現状をよく知っています。

「いつも以上の香りなんでやんす。

お暇なら、嗅(か)ぎに来てくだせえ。

または何か対応策があれば、教えてくだせえ」

すぐにはどうにもならないことは承知の上ですので、

連絡をまつことにしました。

 

その30分後です。

なんと、O様が学校に現れたではありませんか。

子どもたちのため、

現場を見て対応策を考えようと来てくださったのです。

「神様じゃ!

トイレの神様が来てくださった!」

村瀬の心の中は大騒ぎです。

北館2階まで案内すると、

O様は、しっかりと問題箇所を見つけ、

対応策を教授してくださいました。

結果、現在はいつものレベルの臭い、

いや、香りに落ちついております。

 

O様の迅速(迅速)な対応に触れ、

村瀬は深く感謝するとともに、我が身を振り返りました。

助けを求める声が上がったら、

たとえ忙しい身であったとしても、

すぐに手を差し延べることができているだろうか、と。

 

そういえば先週、

5年生のU先生から、

北館の屋上から吊(つ)り下げられた「グリーンカーテン」(ヘチマ)を、

どうにかしたいと相談されたてたよなあ。

それなのに、

出張だとか図工の教材研究だとか、

〆切ギリギリの書類作成とかを言い訳にして、

見て見ぬふり、してたよなあ。

 

村瀬は猛省し、先ほど、北館の屋上によじ登り、

チビりそうになりながらも(若干高所恐怖症のため)、

どうにかこうにか、グリーンカーテンを外したのでした。

 

O様、本日はありがとうございました。

また、O様に限らず、

学習政策課や学校教育課、

学び支援課や子育て支援課といった、

子どもたちに関わる部署や関係機関の皆様。

いつでも丁寧に相談にのっていただき、

また、速やかに対応していただき、

心より感謝しております。

その誠実な対応を見習い、

村瀬も少しは人様のお役に立てられるようになれれば、と思います。

 

それでは、また。

おまいだったのか・・・。

2024年10月29日 13時19分

こんにちは、村瀬です。

10月も最終週となっております。

校内は運動会モードが色濃くなってきており、

なんだかワクワクした気持ちになりますね。

しかしそれに水を差すような天候の崩れっぷり。

運動場で練習したくても、

なかなかできなさそうな週間天気予報です。

恨(うら)めしそうに空を見上げる担任陣でございます。

 

ところで、

昨日は、担任陣が空を見上げる一方で、

防犯カメラの映像をずっと見上げている職員がおりました。

事務職員のTさんです。

 

Tさんには異名が多くあり、

その一つが、「名探偵T」というものです。

Tさんは、職員室で巻き起こる数々の難事件を解決しております。

先日は、とある郵便物が届いたのですが、

その送り先がどの教員か分かりませんでした。

そんなときは、名探偵Tの出動です。

「ふむふむ、この道具ですか。

 確か昨日、6年陣がそれについて話し合っていましたね。

 その中で、話の中心になっていたのは、

 主任のK先生。

 つまりこれは、K先生の物に違いありません!」

確認すると、その推理は見事に正解していたのでした。

 

さて、昨日に話を戻します。

実は、本校では、大変許しがたい事件が発生しておりました。

なんと、「不法投棄」です。

ビールの空き缶と、

道路に立てられている、オレンジ色のポールの一部分が、

ビニール袋に入れられて正門前に置かれていたのです。

「この神聖な学び舎(や)に対して、

 なんたる行為だ!」

怒りに震(ふる)える教員たち。

「いったい誰の仕業だ!」

「ひょっとして、疲れがたまった身内の犯行では?」

「疲労困憊(ひろうこんぱい)といえば、村瀬!

 村瀬に違いない!」

「そういえば、この前、

 校内の掲示板に書くべき情報を、

 市内の全小学校に送信したそうよ」

「ついさっきもね、

 『本日のオレンジキッズ』の記事でね、

 『消火器』のこと、

全部『消化器』って書いてたんですって。

A小の事務さんが呆(あき)れて電話してきたみたい。

 『消化器体験』だなんて、人体実験よね」

(A小の事務さん、ご連絡ありがとうございました!)

「まじー? やばいじゃーん!

 じゃあ村瀬で確定じゃん。

 ストレス発散のためにやったのよ」

(え、うそ? アタシ、疑(うたが)われてる?

 いや、でも、これほど意見が一致しているなら、

無意識でやってたのか?

確かに三日前も、

相方にネギ買ってきてって言われたのに、

無意識でニラ買ってしまってド叱られたばかりだしなあ。)

村瀬はあまりにも厳しい視線や意見にさらされたため、

動揺のあまり「私がやりました」と自白しそうになりました。

 

しかしそのとき、

「皆さん、落ちつきなさい」

というTさんの声が響きました。

「見た目も大人、頭脳も大人 名探偵T」の登場です!

村瀬は救いの神の登場に目が輝きます。

「第一発見者のU先生がブツを見たのが、

 日曜日の午前9時。

 そして、土曜日の夕方までは見当たらなかったことは、

 Y先生の証言で明確になっている。

 つまり、その間の犯行といえます」

「お~」

冷静な分析に、全員がうなります。

「その時間帯に絞(しぼ)り、

犯行現場である正門前に、

 ブツを置いた人物を確認する。

 それだけのことです」

「しかし名探偵T、どうやって?」

「みなさん、お忘れですか?

 これの存在を!」

そう言うと名探偵Tは頭上を指さしました。

そうです。防犯カメラのモニターです。

「お~~~!」

一段と歓声がわき上がります。

 

名探偵Tは巧(たく)みにモニターを操(あやつ)り、

映像を犯行時刻へと遡(さかのぼ)らせていきます。

一同が固唾(かたず)を飲んで見守る中、

予想された時刻の映像に、

一瞬キラリと光るものが確認されたではないですか。

「なるほど、そういうことか・・・。

 犯人が分かりましたぞ」

名探偵Tが呟きます。

「一体、誰なんですか?」

「犯人は、

 タヌキです」

「なんですって?

 村瀬ではなく、タヌキ?!」

「ええ。

この暗闇で反射する目、

 この影の大きさ、

 ブツに空けられていた穴の意味。

 全てを総合すると、

 タヌキが口にくわえて運んできた上、

 おそらくガラクタと気付き、

 ここに置いていったのでしょう」

「お~~~~~~~!」

一同は喝采(かっさい)を名探偵Tに捧(ささ)げ、

村瀬に対する謝罪はなく、

事件は幕を閉じたのでした。

 

一同が解散した後、

「タヌキ、おまい(おまえ)だったのか、不法投棄をしたのは」

と、ごんぎつねの登場人物「兵十(ひょうじゅう)」のようなせりふを、

村瀬はこぼしておりました。

タヌキよ、お前のせいで、

冤罪(えんざい)が発生するところだったよ。

お詫(わ)びに今度来るときは、

村瀬と名探偵Tに対して、

クリやウナギを持ってきておくれ。

「ごん」のようにさ。

決して撃(う)ったりしないからさ。

 

それでは、また。

手を取り合って。

2024年10月24日 15時12分

こんにちは、村瀬です。

昨日の大雨のせいで、

村瀬が一年の内で最も楽しみにしている、

ステキな香りが流されてしまいました。

昨年度もぶつぶつしましたが、

「キンモクセイ」の香りです。

鼻の穴に詰めていたい衝動(しょうどう)に駆(か)られるほど、

愛好している村瀬です。

 

先日の一斉下校の時間、

村瀬は腕を組み、難しい顔をして、

子どもたちが校外に出る運動場東の門の前に、5分以上立っておりました。

帰り際、通りがかった子どもに、

「村瀬、めずらしくまじめな顔して、

 何を考えてるの?」

と尋(たず)ねられました。

「え、あ、えっと、あのー、

 もうすぐ行われる衆議院議員選挙についてだよ。

 日本の将来を憂(うれ)いていたのさ」

と回答すると、

「うそつけー」

と言いながら、子どもは帰っていきました。

残念ながらその通り、真っ赤なウソで、

本当は、何も考えず、ただただ、

門の脇にあるキンモクセイの香りを、

力いっぱい吸い込んでいただけなのでした。

また嗅(か)ぎにこよっと、と思っていたのですが、

残念ながらその機会はなく、

今年のキンモクセイの香りくんくんタイムが終了してしまいました。

あの日、もっと吸い込んでおけばよかったと、

今さらながら落ち込む村瀬です。

 

話変わって、今日の昼放課の話です。

トイレで教頭先生にお会いしました。

そして、こんな言葉を交わしました。

頭「おお、村瀬じゃないですか。

  お疲れ様ですね」

村「教頭先生、こんなところでお会いするとは。

  大変ご無沙汰してました。

  お変わりないようで、何よりです」

頭「お薬は飲みましたか?」

村「ええ、もちろん飲んでいません。

  先生は?」

頭「当然、まだですよ。

  それではごきげんよう」

これ、(ほとんど)ほんとの話です。

実は本日、

教頭先生と会話することがないまま、

昼を迎えていたのです。

普通なら職員室で頻繁に遭遇し、

打合せをしたり、どうでもいい話をしたり、

服薬を確認し合ったり(過去ぶつぶつ参照)するのですが、

今週に入り、ぷっつりと途絶えてしまいました。

 

前回の最後に、

本校にも大きな変化があったことをぶつぶつしました。

この教頭先生とのじゃれあいの減少も、

キンモクセイくんくんタイムの減少も、

この変化に大きく関係しています。

 

ご存じの方も多いとは思いますが、

それは、今週より、校務主任のY先生が、

担任の代理として学級に入っていることです。

 

隠すことではないので、正直に申し上げますと、

やむにやまれぬ事情により、

本校は現在、完全に、人手不足です。

少し前にもぶつぶつしましたが、

「猫の手も借りたい」状況です。

こんな村瀬の手でさえ貸してくれ、という訴えがあるといえば、

その状況の深刻さが伝わるかと思います。

 

Y先生が学級担任の代理を務めることにより、

これまでY先生が教えていた各学年の教科を、

他の者でまかなわなければなりません。

その代理として、村瀬と教頭先生が抜擢されたのです。

 

教頭先生は主に、書写を引き継ぎました。

すでに他学年の書写を教えている上、

字が大変きれいな教頭先生です。

教わる子どもたちも、何の心配もないでしょう。

一方の村瀬、

なんと、図画工作を引き継ぐ運びとなりました。

苦笑いする村瀬の教え子たちの顔が次々に浮かびます。

なにせ、校内一、いえ、市内一を誇る不器用さを抱える村瀬ですので。

 

4年生の子どもたち、ごめんよ・・・。

そう涙をながしながら、図画工作の指導書を読んでいると、

美術専攻である、6年生のF先生が、

「村瀬、困ったことがあるなら、教えてあげますよ」

と、声を掛けてくれました。

「仏様かよ!」

そう言って、

他でもない、子どもたちのため、

村瀬はF先生に弟子入りをし、

指導の仕方を教授してもらったり、

使えるアイテムを譲(ゆず)っていただいたりして、

どうにかこうにか、準備を進めていきました。

 

そして昨日より、授業が始まったのですが、

4年生のみなさんの優しいことったら。

つたない村瀬の説明を真剣に聞き、

作業に集中し、片付けまでしっかり行ってくれました。

これまでの担任の先生やY先生の教えがきっと生きているのでしょうね。

子どもたちや先生方に、心から、感謝、感謝です。

今後もF先生に教わりながら、

少しでも、子どもたちが進んで授業に参加したいと思えるような、

授業づくりをしていこうと考えております。

 

ちなみに本日の村瀬の時間割は、

図工・図工・外国語・外国語

という大変エキサイティングなもので、

ちゃんと声が枯れております。

教頭先生も午前中(給食も)フル回転されておりましたので、

昼休みにようやく出会ったという運びになった、というわけです。

また、連日こんな時間割なので、

キンモクセイもくんくん嗅ぎに回れなかった、というわけです。

 

現在、職員室には、村瀬しかおりません。

そんなことが、日常茶飯事のこの頃です。

村瀬は、どこかに教員は潜んでいないかと、

いろんな戸を開けたり、路地裏を探したりしているのですが、

なかなか見つかりません。

深刻といってもいい、人手不足です。

 

しかし、こうも思うのです。

人手不足だからこそ、

団結できるチャンス、だと。

 

現に、多くの先生方が、

一時的に学校を離れることを余儀なくされた先生の、

無念の思いを救うために、

それに、子どもたちのために、

足りない部分をカバーしようと、

進んで動いてくれています。

子どもたち自身も、彼らなりにいろいろと考え、

私たちを支えるような行動をとってくれています。

 

子どもたちはもちろん、

保護者の皆さんにもご心配をお掛けしますが、

子どもたちのため、私たち教員は手を取り合って団結し、

この難局をどうにか乗り切ろうと思っています。

できることなら、

取り合っている手の中に、

子どもたちの手も、

保護者の皆さんの手も、

加わっていただければ、幸いです。

そしたらきっと、

どこの学校もかなわない、

キンモクセイの香りのような、

ステキでやさしい学校になれるのでは、と考えます。

 

今回も長くなってしまい、申し訳ありません。

あわただしい中であっても、

くだらないことを見つけて、

今後もぶつぶつできたらと思っております。

 

それでは、また。