東の方でぶつぶつぶつ・・・

二十歳の集い。

2025年1月14日 12時25分

こんにちは、村瀬です。

朝晩の冷え込みはさすがに厳しいものがありますが、

日中は穏やかな季候で、

校舎の中にいるより外で「日向(ひなた)ぼっこ」をしていたくなるような、

温かい陽射しが注いでいます。

3学期が始まってから、

今日でちょうど一週間です。

前週に体調を崩していた子どもたちの多くが復活し、

元気な顔を見せてくれました。

そんな久しぶりの登校を果たした子どもに、

来て早々「学力テスト」を行わせるという鬼の村瀬です。

(採点等のスケジュールがあるので、仕方ないのです・・・。)

 

バチが当たったのでしょうか、

村瀬、現在、声が出ません。

無理して発声していますが、

強烈なのどの痛みを伴い、音声もしゃがれまくっております。

先程、市役所の方からお電話をいただきましたが、

村瀬の発言に対して、

「はい?」

と、何度も問い直しされました。

それくらいのレベルでございます。

明日から外国語の授業が始まりますので、

緑茶でうがいをしたり(村瀬が信じている民間療法)、

のど飴をなめまくったりしながら、

ケアに努めている次第です。

 

さて、二日前の日曜日の話です。

夜も明けきらぬ暗闇の中、

村瀬は目を覚ましました。

何やら外が騒(さわ)がしい様子です。

気にはなりますが、

外に出るには寒すぎますし、

何だか幸せな夢を見ていたので、

再びその世界に戻ろうと布団に潜(もぐ)ります。

しかし、騒々(そうぞう)しさが収まる気配がありません。

まったくもう!

と、思い切ってベランダに出て、

様子をうかがいます。

そしてすぐに、その理由を突き止めました。

 

村瀬の隣家は美容室です。

駐車場にちらりと見える振り袖(そで)姿や袴(はかま)姿。

そうです。

成人式(二十歳の集い)のため、着付けを行っているのでした。

(村瀬が住む市では、日曜日に行われたようです。)

 

村瀬はすでに「不惑」(ふわく)をゆうに越えておりますので、

自分自身が成人式に参加したのは、遙(はる)か昔の出来事です。

それでも当日の記憶がいくらかあります。

一番覚えているのは、

久しぶりの友人たちとの再開に浮かれ、

意味もなく飛び跳(は)ねまくり、

誰かの肩にあごをぶつけ、

その拍子に下くちびるを思い切り噛(か)み、

血だらけになった、

ということでしょうか。

その際には、

「お前、まったく変わってないな」

と、多くの友人に呆れられました。

あれから、もう一度成人式を迎える以上の年月を過ごしてきましたが、

今でもきっと同じような過(あやま)ちを繰り返し、

同じような講評(こうひょう)を得るに違いありません。

人の本質は、なかなか変えられるものではありませんね。

 

村瀬は今まで、6年生の担任を5回務め、

子どもたちを卒業生として送り出してきました。

そのうち、3つの学年がすでに成人式を終えています。

最初に送り出した卒業生は、

現在、30歳を越えております。

時の流れの速さに驚き、恐ろしさを感じてしまいます。

彼らもきっと、

「老化」という魔の手がせまっていることに気付き始めていることでしょう。

2、3回目に送り出した卒業生は、

東小学校の子どもたちです。

2回目の卒業生の成人式には招待していただき、

久しぶりの再会を果たすことができました。

当時の担任陣と卒業アルバムを手に参加し、

当時の面影(おもかげ)のある子や、

大きく変貌(へんぼう)を遂(と)げた子などを見つけては、

大騒ぎして楽しませていただきました。

3回目の子どもたちは、

例のういるすの仕業により、大々的に式を行うことがかなわなかったようで、

実に残念でした。

 

小学校を卒業してからおよそ6年で成人(18歳)を、

8年で20歳を迎えます。

随分(ずいぶん)先のようにも感じるでしょうが、

本当にあっという間です。

あれほど頼りなかった子が、

実に堂々とした青年になっている。

そんな姿を見ると、やはり嬉しくなります。

それと同時に、

今一緒に過ごしている子どもたちのことを考え、

「あせらなくてもいいよ」

という言葉を、

子どもにも、保護者の方にも、

同僚にも、自分自身にも掛けたくなります。

身体の成長だけでなく、

心の成長も、

人それぞれです。

花が開くタイミングもそれぞれちがうものです。

そのことを忘れ、

ついつい、周りと比べてしまったり、

早く成長してほしいと、追い立ててしまったりしがちですね。

長い道のりです。

小学校の段階では、まだスタートを切ったばかりの位置にいます。

出遅れたところで、

いくらでも取り返しのつく場所にいるわけです。

のんびりと歩き、いろいろな風景を見て、

たくさん心を動かしていた方が、

その先を進んでいく上で、

プラスに働くこともきっとあるのだと感じます。

あせらなくてもいい。

それに、ただそこにいてくれる。

それだけで十分、

誰かを励(はげ)まし、支える存在になっている、

ということも併せて伝えたいと思います。

 

そんなことを、

駐車場で笑う振り袖あんど袴姿の青年たちと、

かつての卒業生の姿を重ね、

白い息を夜空に浮かべながら、長い時間思い返していたのでした。

 

あ、それで、風邪をひいてのどを痛めたのか?!

 

それでは、また。