初めて。
2025年1月29日 15時32分こんにちは、村瀬です。
先週と打って変わって、震(ふる)える日が続いております。
身体的にはきついものがありますが、
冬の時期に冬らしい気候が訪れると、
どこかほっとする気持ちが生まれるのは、
村瀬だけでしょうか。
ところで、
ぶるぶるぶるぶる村瀬が震えている理由は、
寒さのせいだけではありません。
先週末より、
「刀」を扱う授業に取り組んでいるからです。
もちろん、銃刀法(じゅうとうほう)にひっかかるような代物(しろもの)ではありません。
図画工作で扱う、
「彫刻刀」でございます。
しかし、なめてはいけません。
扱い方を間違えれば、
ちゃんとけがをします。
場合によっては、大けがです。
学校において、初めて彫刻刀を使用するのは、
4年生です。
そのときに、正しい扱い方を身に付けていれば、
けがを負う心配は低下します。
逆に言えば、
最初の段階でてきとーに教えてしまうと、
けがを負う心配が大幅増となるでしょう。
そんな極めて重要な役割を担うことになったのが、
他でもない、そう、村瀬なのです。
自慢ではないですが、
村瀬自身、
彫刻刀を初めて使用する図工の授業で(当時も4年生です)、
クラスで、いえ、学年で、
誰よりも早く、けがを負いました。
それも、開始早々、です。
「彫刻刀を持っていない方の手を、
決して、彫刻刀の前に置いてはいけないよ」
と、教えられた直後に、
彫刻刀の前に手を置いていたのです。
担任、そして、養護教諭の先生に、
深いため息をつかれたことを、
今でも鮮明に覚えております。
そりゃ、つきますよね。
そんなトラウマを抱えた村瀬が、
久しぶりの彫刻刀の指導。
そりゃあ、震えますよね。
だからといって、逃げるわけにはいきません。
そこで、図画工作のエキスパート、
F先生に弟子入りし、
彫刻刀の安全な扱い方や授業方法などを身に付けるべく、
授業をしていただいたのです。
村「師匠、持ち方はこんな感じでしょうか?」
F「ちがう! 指をもっと伸ばす!」
村「こう、ですか?」
F「ちがうちがう! こう!」
村「あ、なるほど、こうですね」
F「全然ちがう! おたんちん!」
超(ちょう)がつくほど不器用な村瀬に、
F先生は呆(あき)れながらも、あきらめず最後まで付き合ってくれ、
授業の展開方法やワークシートまで、
村瀬、というより、4年生が困ることのないよう考えてくださいました。
F先生の献身(けんしん)により、
現在、3クラスが初めての彫刻刀体験を終えましたが、
なんと、けが人は、「0」です!
いや、当たり前なんでしょうけど、
村瀬はとても嬉しいです。
初めて彫刻刀を使った子どもたちも、
「おーーーー」という声が上がったり、
「これ、楽しいね」「もっとほりたい」
なんて前向きな声がたくさん聞こえてきました。
二重に喜びを感じております。
この図画工作の授業で、
彫刻刀以外に「初めて使った」と声が聞こえてきた道具が、
もう一つありました。
それは、
「ホッチキス」(ステープル)です。
村瀬は少し驚きましたが、
けっこうな数の子どもが、自分で初めて留(と)める、
とのことでした。
「村瀬、これ、どうやってやるの?」
「いいかい、ここに紙をはさむのさ。
そして、この部分を親指でふんがーっと力を入れたら、
パチッと留まるってわけさ」
「ここを、こうして、こう?
ふんがーっ!
あ、できた! すごーい!」
初めての体験に感動する子ども。
それを見て感動した村瀬です。
考えてみれば、なんでも「初めて」のときがあるわけです。
そして、そんな「初めて」が、
学校にはたくさん転がっているのです。
もちろん、良い感情が生まれる「初めて」だけではなく、
苦い「初めて」もあるでしょう。
それでも、どれもが、貴重な体験といえるでしょう。
たくさんの「初めて」に立ち会える私たち教員は、
素敵な環境に身を置けているのだなあと、改めて感じます。
子どもたちの「初めて」が、良い方向に向かうように、
ほんの少しでも支えになりたいなと思い、
今日もF先生に教えを請(こ)う、村瀬なのです。
それでは、また。