日進市の木。
2023年10月17日 16時50分こんにちは、村瀬です。
風にまぎれて、素敵な匂(にお)いが漂(ただよ)ってきます。
何を隠そう、村瀬が最も好きな匂いです。
オレンジ色のかわいい花を咲かす、
キンモクセイの香りです。
くんくんくんくん、香りをたどっていくと、
見つけました、運動場の東の端(はじ)、プールの前のしげみに。
北館への渡り廊下でも匂いがしました。
ここでも、くんくんくんくん、鼻を利(き)かせると、
見つけました、中庭にも。
トリュフを探すブタさんのように、
この時期、村瀬はいたるところでくんくんしています。
それほど、大好きなんです。
日進市が、「市の木」として、キンモクセイを制定しているのは、
ご存じだったでしょうか?
わんだふるちょいすですね。
これだから、日進市の学校を去ることができない、村瀬です。
子どもたちが下校のときに使うプール脇の門のすぐそばに、
キンモクセイがたくさんあります。
本日の一斉下校で、
全員でさようならをするまで、
村瀬はずっと、くんくんくんくんしておりました。
その様子を見ていたからでしょうか、
ある少年が帰り際に、
「先生、これあげる」
と、ぐーにした手を向けてきました。
村瀬は手をパーにして差し出します。
少年の手から、オレンジ色の花がたくさんこぼれ落ちました。
やさしいですね。
鼻に詰め込みたくたりましたが、
大人ですので、そこは我慢しました。
現在も手のひらに残った微(かす)かな香りを、
くんくんしながらぶつぶつしている村瀬です。
村瀬にとって素敵な香りに包まれる、夢のような世界も、
おそらくは、今週でおしまいとなることでしょう。
キンモクセイのかわいらしい花々は、
可憐(かれん)すぎるからでしょうか、
あっという間に風に散らされ、
足元をオレンジ色のじゅうたんに染め上げてしまいます。
はかないものです。
しかし、だからこそ、
これほど執着(しゅうちゃく)してしまうのかもしれません。
それは、キンモクセイの香りに限らず、
たとえば、桜やヒマワリなど、
限られた季節に美しさを見せてくれる花々が、
多くの人々の心をつかむのも、同じ理由なのではないでしょうか。
花々は、その一瞬ともいえる短い時間のために、
様々な気候に耐えつつ、長い月日をかけて、準備している。
その事実にも、心を動かされているようにも思います。
さて、現在、東小学校では、
11月に行われる運動会の練習が行われております。
一所懸命に練習に取り組んでいる子どもたちを見ると、
なんだか嬉しい気持ちになります。
それぞれの演目は、10分程度の短い時間ではあります。
練習時間に比べれば、ほんの一瞬のことでしょう。
しかし、そこには、10分では到底収まり切れない、
子どもたちの汗や努力、苦悩や笑顔に満ちたドラマが潜(ひそ)んでいるものです。
当日、それぞれが精一杯競技や演技に臨むことで、
そのドラマの一端を感じ、
保護者のみなさんの心が動くことを、願ってやみません。
なんてことを考えながら、
鼻をくんくんくんくんさせつつ、
運動会の練習を見ていた、村瀬なのです。
それでは、また。