見守るということ。
こんにちは、村瀬です。
6月も最終週を迎えております。
今週の天気予報は雲と傘がずらりと並ぶ、
梅雨らしい天候が続くようです。
昨日もぐずついた天候でしたね。
村瀬は目覚めとき、
カーテンをオープンして外の様子を見るようにしています。
昨日もいつもと同じように外を見ると、
灰色の空が広がっておりました。
「おお、空よ、お前もか。
わしもどんよりしておるのだよ。
そんなときは、そう、休むにかぎる。
よし、今日は布団から一歩たりとも出るものか」
と決意し、カーテンを閉じようとしました。
そのとき、視界を横切るものが現れました。
ツバメです。
それも、3羽続けて。
そのうち2羽は、最初に横切った個体より小さく見えました。
きっと、親子に違いありません。
ひょっとすると、
「巣立ち」のときだったのかもしれません。
もうご覧になられた方もいらっしゃるでしょうが、
オフィシャルページ「本日のオレンジキッズ」で記したように、
本校の某場所にも現在、ツバメが巣を作り、子育てに励んでいます。
気付いたのは、音楽専科のS先生です。
S先生は、親鳥が巣を作り始めた頃から今日に至るまで、
日夜見守り続けています。
もしもヒナが巣から落ちてしまったら、
という万が一の事態にそなえ、その対応を調べるなど、
本腰を入れてツバメ家族を見守ってくださっています。
先日、S先生に案内をしてもらったのですが、
「ツバメの巣はどこー?
わー、ほんとだー。あんなところにあるー。
ツバメは中にいるのー? あれーいないのかなー?」
などと、
S先生が物音を立てない努力をしている一方で、
村瀬一人で騒いでしまったものですから、
危険を感じたのでしょう、
巣から親鳥が飛び立ってしまいました。
呆れ果てたS先生なのでした。
もう何十年も前のことになりますが、
村瀬家の軒下(のきした)にも、
ツバメの巣ができたことがありました。
母村瀬は巣の下が汚れることにぶつぶつ言っておりましたが、
少年村瀬は大喜びです。
巣作りは順調に進行し、
やがて、チーチーチーとヒナたちがエサを求めるようになりました。
少年村瀬は興奮します。
何かの映像で見たように、親鳥がヒナにエサを与える瞬間が見たい。
そんな思いで巣のそばで待ち構えていましたが、
一度たりともやってくることはありませんでした。
ただ、そばの電線に停まって、
こちらの様子をうかがっていることはありました。
警戒してのことでしょう。
ヒナたちのチーチーチーは、
「トーチャンカーチャンオナカスイタヨー」
というよりも、
「ムラセジャマダヨドッカイケー」
だったのだろうと、今は思います。
餌付けをする瞬間は一度も見ることはできませんでしたが、
少年村瀬は幸運にも、巣立ちの瞬間を目にすることができました。
公園に遊びに行き、帰宅したときのことです。
巣のへりに3羽のツバメが足をかけていることに気づきました。
少年村瀬は少しだけ学習し、
これはそばに寄りすぎてはいけないだろうと、
「張り込み」をする刑事のように、
離れたところから、じっと見守っていました。
少しして、
見守っているのは、少年村瀬だけではないことが分かりました。
そばの電線に、親鳥が停まっていたのです。
幼いなりにも、その姿に感動を覚えました。
へりの上で、何度も羽をばたつかせるヒナたち。
かなりの時間、その様子が続きましたが、
ある瞬間に1羽が思い切って飛び立ち、
他の2羽がそれに続きました。
その後、親鳥とすぐに合流し、
4羽そろって飛び去っていったのでした。
その光景は、
少年から中年へと変貌(へんぼう)を遂(と)げてしまった今でも、
村瀬の宝物となって胸の内にあります。
ただ、かつてはヒナたちが飛び立つ姿が輝いていましたが、
現在は、電線に停まっていた親鳥の姿に眩(まぶ)しさを覚えます。
それはきっと、
学校という場所において、親代わりの立場にいるから、
そして、
村瀬自身も親になったからでしょう。
子どもが幼い頃は手取り足取り支える必要があります。
しかし、いつまでも、手をつないでいるわけにはいきません。
ツバメが自分の羽で空をかき、巣立ちのときを迎えるように、
子どももやがては「自立」をして、社会に巣立つ必要があるからです。
手を出さず、「見守る」ということが、
口で言うほど簡単なことではないことは、
子どもを支える立場の人なら、きっと誰でも理解できると思います。
失敗してほしくない、傷ついてほしくない。
そう願うのが親心なのでしょうが、
いつでも先回りして、安全な道を用意していては、
「自立」することが困難になってしまいます。
失敗することでしか、
傷を負うことでしか、
学べないこともたくさんあります。
いつまで、どこまで、
手を出すか、口を出すか、
教員としても、親としても迷い続けている村瀬です。
でもきっと、村瀬だけでなく、
多くの教員が、多くの保護者の方が、
同じように悩んでいるのだと感じます。
「親鳥」仲間として、
みんなでヒナたちのことを考え、見守っていけたらと願います。
すみません。
ツバメへの想い入れが強すぎて、
ついつい長々とぶつぶつしてしまいました。
最後に、
「ツバメが巣をかける家は縁起がよい」
と、昔から言い伝えがあります。
家ではないのですが、
きっと学校にとってもよいことがあるに違いありません。
それでは、また。