手を取り合って。
2024年10月24日 15時12分こんにちは、村瀬です。
昨日の大雨のせいで、
村瀬が一年の内で最も楽しみにしている、
ステキな香りが流されてしまいました。
昨年度もぶつぶつしましたが、
「キンモクセイ」の香りです。
鼻の穴に詰めていたい衝動(しょうどう)に駆(か)られるほど、
愛好している村瀬です。
先日の一斉下校の時間、
村瀬は腕を組み、難しい顔をして、
子どもたちが校外に出る運動場東の門の前に、5分以上立っておりました。
帰り際、通りがかった子どもに、
「村瀬、めずらしくまじめな顔して、
何を考えてるの?」
と尋(たず)ねられました。
「え、あ、えっと、あのー、
もうすぐ行われる衆議院議員選挙についてだよ。
日本の将来を憂(うれ)いていたのさ」
と回答すると、
「うそつけー」
と言いながら、子どもは帰っていきました。
残念ながらその通り、真っ赤なウソで、
本当は、何も考えず、ただただ、
門の脇にあるキンモクセイの香りを、
力いっぱい吸い込んでいただけなのでした。
また嗅(か)ぎにこよっと、と思っていたのですが、
残念ながらその機会はなく、
今年のキンモクセイの香りくんくんタイムが終了してしまいました。
あの日、もっと吸い込んでおけばよかったと、
今さらながら落ち込む村瀬です。
話変わって、今日の昼放課の話です。
トイレで教頭先生にお会いしました。
そして、こんな言葉を交わしました。
頭「おお、村瀬じゃないですか。
お疲れ様ですね」
村「教頭先生、こんなところでお会いするとは。
大変ご無沙汰してました。
お変わりないようで、何よりです」
頭「お薬は飲みましたか?」
村「ええ、もちろん飲んでいません。
先生は?」
頭「当然、まだですよ。
それではごきげんよう」
これ、(ほとんど)ほんとの話です。
実は本日、
教頭先生と会話することがないまま、
昼を迎えていたのです。
普通なら職員室で頻繁に遭遇し、
打合せをしたり、どうでもいい話をしたり、
服薬を確認し合ったり(過去ぶつぶつ参照)するのですが、
今週に入り、ぷっつりと途絶えてしまいました。
前回の最後に、
本校にも大きな変化があったことをぶつぶつしました。
この教頭先生とのじゃれあいの減少も、
キンモクセイくんくんタイムの減少も、
この変化に大きく関係しています。
ご存じの方も多いとは思いますが、
それは、今週より、校務主任のY先生が、
担任の代理として学級に入っていることです。
隠すことではないので、正直に申し上げますと、
やむにやまれぬ事情により、
本校は現在、完全に、人手不足です。
少し前にもぶつぶつしましたが、
「猫の手も借りたい」状況です。
こんな村瀬の手でさえ貸してくれ、という訴えがあるといえば、
その状況の深刻さが伝わるかと思います。
Y先生が学級担任の代理を務めることにより、
これまでY先生が教えていた各学年の教科を、
他の者でまかなわなければなりません。
その代理として、村瀬と教頭先生が抜擢されたのです。
教頭先生は主に、書写を引き継ぎました。
すでに他学年の書写を教えている上、
字が大変きれいな教頭先生です。
教わる子どもたちも、何の心配もないでしょう。
一方の村瀬、
なんと、図画工作を引き継ぐ運びとなりました。
苦笑いする村瀬の教え子たちの顔が次々に浮かびます。
なにせ、校内一、いえ、市内一を誇る不器用さを抱える村瀬ですので。
4年生の子どもたち、ごめんよ・・・。
そう涙をながしながら、図画工作の指導書を読んでいると、
美術専攻である、6年生のF先生が、
「村瀬、困ったことがあるなら、教えてあげますよ」
と、声を掛けてくれました。
「仏様かよ!」
そう言って、
他でもない、子どもたちのため、
村瀬はF先生に弟子入りをし、
指導の仕方を教授してもらったり、
使えるアイテムを譲(ゆず)っていただいたりして、
どうにかこうにか、準備を進めていきました。
そして昨日より、授業が始まったのですが、
4年生のみなさんの優しいことったら。
つたない村瀬の説明を真剣に聞き、
作業に集中し、片付けまでしっかり行ってくれました。
これまでの担任の先生やY先生の教えがきっと生きているのでしょうね。
子どもたちや先生方に、心から、感謝、感謝です。
今後もF先生に教わりながら、
少しでも、子どもたちが進んで授業に参加したいと思えるような、
授業づくりをしていこうと考えております。
ちなみに本日の村瀬の時間割は、
図工・図工・外国語・外国語
という大変エキサイティングなもので、
ちゃんと声が枯れております。
教頭先生も午前中(給食も)フル回転されておりましたので、
昼休みにようやく出会ったという運びになった、というわけです。
また、連日こんな時間割なので、
キンモクセイもくんくん嗅ぎに回れなかった、というわけです。
現在、職員室には、村瀬しかおりません。
そんなことが、日常茶飯事のこの頃です。
村瀬は、どこかに教員は潜んでいないかと、
いろんな戸を開けたり、路地裏を探したりしているのですが、
なかなか見つかりません。
深刻といってもいい、人手不足です。
しかし、こうも思うのです。
人手不足だからこそ、
団結できるチャンス、だと。
現に、多くの先生方が、
一時的に学校を離れることを余儀なくされた先生の、
無念の思いを救うために、
それに、子どもたちのために、
足りない部分をカバーしようと、
進んで動いてくれています。
子どもたち自身も、彼らなりにいろいろと考え、
私たちを支えるような行動をとってくれています。
子どもたちはもちろん、
保護者の皆さんにもご心配をお掛けしますが、
子どもたちのため、私たち教員は手を取り合って団結し、
この難局をどうにか乗り切ろうと思っています。
できることなら、
取り合っている手の中に、
子どもたちの手も、
保護者の皆さんの手も、
加わっていただければ、幸いです。
そしたらきっと、
どこの学校もかなわない、
キンモクセイの香りのような、
ステキでやさしい学校になれるのでは、と考えます。
今回も長くなってしまい、申し訳ありません。
あわただしい中であっても、
くだらないことを見つけて、
今後もぶつぶつできたらと思っております。
それでは、また。