お宝探し、再び。
2024年12月19日 18時55分こんにちは、村瀬です。
「夏の暑さに反比例してあいさつの声が小さくなる」
ということを以前ぶつぶつしました。
その折に、
「冬の寒さに反比例してあいさつの声が小さくなる」
という予想を立てましたが、
見立て通り、
マスクを越えられない声量であいさつする子どもが続出しました。
ところが今週に入り、
日を追う毎に、ボリュームが上がり、あいさつを返してくれる子どもが、
着実に増えてきました。
どういうわけか、
答えは実に明確です。
待ちに待っていた「冬休み」が近づいてきたからです。
2学期も残り2日。
体調を崩さずに、お休み入ってほしいものですね。
さて、少し前の話です。
東小学校には名所がいくつかありますが、
その内の一つ、
「あしがら山」にて事件が起きました。
遊んでいた子どもが、
山中(さんちゅう)で「クギ」を発見したのです。
幸い、誰かがけがをしたわけではなかったのですが、
危険物が見つかってしまった以上、
ほかっておくわけにはいきません。
あしがら山一体を封鎖し、
しばらくの間「登山禁止」という措置をとることになりました。
あしがら山は、
子どもたちの大人気スポットです。
大放課には、登頂、下山を繰り返す子どもが殺到(さっとう)します。
なんだかみんな、楽しそうです。
このまま、封鎖を続けてしまえば、
「山ぼーいアンドがーる」の笑顔が消えてしまいます。
昨年度、
「運動場に眠る金属片をさがす」
というミッションを実施したことがありました。
さながら「PKO(国連平和維持活動)」で見られる光景のように、
「金属探知機」を使用して運動場を探索したことがありました。
現在は信州に生活の拠点を移された、
K先生を隊長に祭り上げて実施しました。
(昨年の10月あたりのぶつぶつ参照)
考えてみたら、そのとき「あしがら山」も探索範囲だったはずです。
そして、もっとよく考えて見たら、
その場所は村瀬が担当したのでした。
誰も信じてくれないでしょうが、
適当に行ったわけではありません。
村瀬にしては丁寧に活動したつもりでした。
けれども、クギが見つかったという事実がある以上、
責任は村瀬にあります。
ごめんよ、子どもたち。
きみたちの笑顔を取り戻すため、
村瀬、踏ん張るよ。
ということで、再び市役所から金属探知機をお借りし、
いざ、捜索開始です。
すると、早速、
「ピピーッ、ピピーッ」
と、反応がありました。
用意したスコップで、ホリホリしていきます。
あしがら山の地盤は固く、なかなか掘り進められません。
時折金属探知機を掘った場所に当てて確認すると、
まだ、「ピピーッ」と反応します。
そして、最終的に発見されたのは、
「プルトップ」ただ1つ。
労力の割に合わない物が出土され、村瀬はげんなりです。
この広大な範囲をこのペースでやっていたら、
日が暮れてしまうのではないか(開始時刻、午後3時)。
もうすでに、冷え込みが強いぞ。
このままでは、山間部で夜を越すことになるのではないか。
最近はどうもこの周辺に獣(けもの)が現れるらしい。
命の危機がそこまでせまっている!
あしがら山の麓(ふもと)で、
金属探知機とスコップを持ちながら、
パニックになりかけた村瀬に、
不意に声が飛んできました。
「村瀬、何やってるんですか?」
振り返ると、にやにやしながら近づいてくる、
6年担任のT先生が確認できました。
心に日々ふんぞり返っている悪魔村瀬が、
「しめた!」と叫びました。
村「おお、これはこれはT先生、
よいところに来られましたな」
T「その手にしている物は何ですか?」
村「ああ、これかい?
これは金属探知機だよ。
これでね、この山に潜む危険物を捜しているんだよ。
それにしても、T先生、
どこかヒーローの面影(おもかげ)があるね。
ほら、横顔とかさ。
この金属探知機も似合いそうだ。
いや、待てよ。
どちらかというと、
スコップの方が馴染(なじ)みそうだね。
もってごらんよ。
わあ、やっぱりだ。
この学校で誰よりもスコップが似合うよ。
いや、市内で一番じゃないかな」
T「え、そうですか?」
照れるT先生に悪魔村瀬が畳みかけます。
村「どうだろうT先生、いや、ヒーロー。
私と一緒に、子どもたちの安全を守るため、
あしがら山を攻略してみないかい?」
T「いいですよ。
でもぼく、金属探知機、
使ってみたいですね」
村「いやいや、これはね、
実はとてもでんじゃらす(危険)なんだ。
どうやら使い方を間違えると、
体中に電流が流れる仕組みになっているらしい(大うそです)。
みんなのヒーローを危険にさらすわけにはいかないよ。
ここは、『血管年齢が60代後半』と診断され、
途方にくれている私が、その役目を引き受けよう。
きみは、私が発見した危険箇所を、
その手にしている、
通称『勇者のスコップ』で掘り進めてくれたらいいんだ。
ほら、この音を聞いてごらん。
今、ピーピーいったろ?
この下に危険物が眠っているんだ。
さあ頼んだよ、東小のヒーロー!」
T先生は、まんざらでもなさそうな顔で、
力強く掘り起こしてくれました。
悪魔村瀬は、
「ここだよ、ここで鳴ったよ」「あ、ここも鳴った」
と、T先生に教えるだけです。
幾つも堅い地盤を掘っているうちに疲労も溜まり、
手を痛そうにしているT先生。
それを見事にスルーする村瀬。
こうして最高のコンビが誕生し、
無事にあしがら山一帯の調査を終えたのでした。
そんなわけで、あしがら山の安全は無事に確保され、
入山禁止の措置は解除されたのでした。
そして翌日から、
登山、下山を楽しむ子どもたちの笑顔が戻ったのでした。
めでたし、めでたし。
(ちなみに出土した品々は、
オフィシャルぶろぐ「本日のオレンジキッズ」に紹介されております。)
ところで、T先生が村瀬になんだか冷たいのは、
どういうわけでしょう?
それでは、また。