涼しい風に吹かれて。
2025年6月20日 12時53分こんにちは、村瀬です。
昨日天気予報を見ていたら、
今後の気温予想の際に、「10年に一度」の暑さが続く日々になる、
なんてことを予報士さんが訴えていました。
それを聞いて、
「昨年もそんな言葉、飛び交ってなかったっけ?
『10年に一度』、多すぎない?
もう、『例年』でよくない?」
と、ぶつぶつこぼしていた、
溶けそうになっている村瀬です。
こんな暑さの中でも、
学校での学習活動は進んでいきます。
とはいっても、
教室はエアコンが効いていて、
それほど劣悪な環境ではありません。
かつて、夏場の暑さ対策が教室に何も施(ほどこ)されてなされていなかった時代を振り返ると、
「隔世(かくせい)の感」を禁じ得ません。
少年村瀬が過ごした小中学校生活、唯一の暑さ対策は、
「プラスチックの下敷き」のみでした。
しかしこれも、
授業中みんながあまりにもパタパタやり過ぎた結果、
集中できないという理由で禁止になったときもありました。
当時から職員室にはエアコンが設置されていましたので、
中学生の頃は意味もなく職員室へ出向き、
「あのー、○○先生、折り入って話が・・・」
と、室内へ強引に侵入し、
「あのー、えーーっと、なんといいますか・・・」
と、会話の時間をできるだけ引き延ばし、
涼んでいたのも懐かしい思い出です。
まあ、魂胆(こんたん)がばれて幾度も叱られましたが。
村瀬の担任時代のほとんどは、
エアコンのない教室で子どもたちと過ごしました。
夏場、よく子どもたちからこんな言葉がもれました。
子「村瀬、暑くて集中できない」
まったく、ごもっとな意見です。
しかし、だからといって学習を止めるわけにはいかないので、
担任村瀬は説得にあたります。
村「きみたちの主張はもっともである。
しかしだな、こんな言葉がある。
『しんとうめっきゃくすればひもまたすずし』だ」
子「なにそれー」
村「これはだな、心のもち方次第で火さえも涼しく感じられるということだ」
子「へー。どうやって書くの?」
村「ん? それはだな、
ひは、「火」だろ。すずしは、「涼し」だ。
それに、しんとうが、「心頭」だな。
めっきゃくが、あれ、どうだったっけ・・・。
ええい、文字なんぞどうでもいいのだ。
とにかく、涼しいと思えば涼しいのだ。
心次第なのだ」
子「暑いとか涼しいとかだけ?」
村「というのは、どういうことだね?」
子「痛いとか、そういうのも心次第?」
村「ああ、そうであるな。
心をコントロールすれば可能であるな」
子「じゃあ村瀬は、痛みを感じなくできるの?」
村「あ、ああ、も、もちろん」
子「じゃあ、つねっていい?」
村「なぜだ? なぜ私がつねられるのだ?」
子「『しんとうめっきゃく』の見本見せてよ」
子「そしたら授業に集中できるコツが分かるでしょ」
村「むむむ。仕方あるまい・・・」
子「おい、T、つねってやれよ」
村「待て、Tはだめだ。握力が強すぎる」
子「そんなの関係ないはずでしょ?」
村「むむむ。仕方あるまい・・・」
T「村瀬、いくよ」
村「待て、なぜほっぺたをつねろうとするのだ。
せめてここ、二の腕にしなさい」
T「しょうがないな、いくよ」
村「待て、早まるな。
まず、精神を集中する。そして意識を飛ばす。
痛くない、痛くない、
痛いって、一体何のことか分からない。
よし、T、こい!」
T「えいや!」
村「いっってーーーーーーー!」
爆笑する子どもたち。過ぎていく時間。
誰よりも集中させられない村瀬なのでした。
片や、現在の東小学校では、
涼しい風に吹かれているおかげか、
どうしても気持ちがだれやすい6月ですが、
集中して学習に取り組んでいる子どもが大勢います。
心から感心しています。
「めっちゃ集中して作業してるね。えらいね」
と、涼みがてらひょっこり飛び込んだ教室で声を掛けると、
「村瀬、気が散るからしゃべりかけないで」
と、4年ガールからちゃんと叱られました。
涼しい風に吹かれながら、
涼しくなかった教室時代を思い出し、
涼しくても集中できない自分を猛省する村瀬なのでした。
それでは、また。