谷間の日。
こんにちは、村瀬です。
今日は運動場から、
「9秒2」「10秒3」「8秒6」
といった、時を告げる叫び声がよく聞こえてきました。
運動をするにはちょうどよい気候でしたね。
1年生はアサガオの種を植えていました。
その姿を見ていて、
先日畑にホウセンカの種を植えたことを思い出し、
あわてて水をあげていた村瀬です。
さて世間では、
「ゴールデンウィーク」まっただ中なのでしょうか。
それとも学校と同じように、
カレンダー通りのスケジュールで動いている方が多いのでしょうか。
きっと連休の谷間ということからでしょう、
どことなくそわそわしていたり、
ぽけーっとしていたりする子が多かったように見えました。
いえ、子どもだけではありません。
先生たちの中にも、
魂(たましい)が抜けていそうな方が見受けられました。
その筆頭は、村瀬だったでしょう。
気を抜くと、口が開き、白目をむいておりました。
授業はどうにか気合いでやり抜いたのですが、
事務仕事はすっかり滞ってしまい、
こうしてぶつぶつに逃げている次第です。
昨日、今日の2日間、
授業後は家庭・地区確認へと担任の先生方が向かっております。
一昔前までは「家庭訪問」ということで、
各家庭にお邪魔して保護者の方とお話をしていたものでした。
かつて本校で担任をしていたとき、
「40人学級」を受け持ったことがありました。
4日間で40人ということで、
少しの遅れも許されず、
休むことなくひたすら家から家へと駆け抜け、
しゃべり続けたことを懐かしく思います。
翌年、
へとへとになった経験をクラスの子どもたちに話し、
そのついでにこんな提案をしてみました。
「いいかね、きみたち。
何人も続けて話すとなると、
のどがカラカラになるのは分かるだろう?
そうなってくると、
きみたちのことを褒(ほ)め称(たた)えたくても、
うまくいかないものだ。
そうだねえ、3軒目くらいでのどが潤(うるお)えば、
調子よく訪問を続けられるにちがいない。
今日の3軒目は、Aくんの家だね。
そこで、よく冷えた物が出てくるといいのだがね。
できたら、色が黒くてシュワシュワしている飲み物があれば、
3倍は褒められるだろうね。
ところで6軒目あたりになると、
こんどは小腹が空いてくだろう。
そこで、何かが体内に入ると、
もうひと頑張り、と思えるにちがいない。
今日の6軒目は、Kくんの家だね。
そこで、糖分がとれたら、
6倍は良いことが言えるだろうね。
どれどれ、今日は11軒か。
最後の方には、お腹がぺこぺこになるだろう。
9軒目のHさんの家あたりで、
チュルチュルと吸い込める物が出てくると素敵だね。
楽しみにしているよ。はっはっは」
そりゃ、もちろん、本気なわけないですよ。
子「村瀬、めちゃくちゃなこと言ってやがらあ」
村「冗談、冗談。てへへへ」
なんて感じで、みんなで大笑いして、授業を終えましたよ。
しかし、その後、驚愕(きょうがく)の家庭訪問が幕を開けたのです。
3軒目で、黒くてシュワシュワした飲み物が提供されました。
というより、1軒目から黒くてシュワシュワした飲み物が出てきました。
それどころか、何軒ものご家庭に用意されていました。
「ごめんなさい、村瀬。
うちには黒くてシュワシュワする物はないから、
代わりにこちらを飲んでください」
と、グレープ色のシュワシュワした飲み物を注いでくれた家もありました。
潤されるどころか、
数件でお腹はたぷたぷです。
6軒目で、季節にちなんで柏(かしわ)もちが3つ提供されました。
「村瀬、遠慮しないで。
残さないで。
全部食べてって」
と、ぐいぐい推(お)されたので、ぐいぐい口につめ込みました。
それだけでお腹はぽんぽんです。
この流れ、ひょっとすると、ひょっとするぞ・・・。
戦々恐々としながら9軒目を訪れると、
「○子がどうしても作れって言ったから作ったけど、
村瀬、ほんとにそんなこと言ったの?」
と、訝(いぶか)しげにお母様がどんぶりを運んできました。
そこにはポニョ(ジブリ作品より)が好きそうな、
ハム入りの塩ラーメンが湯気を立てていたのでした。
「ええ、まあ、一応・・・」
そう言って、次の家庭に遅れないよう慌てて麺(めん)をすすりながら、
「いやあ、ズルズルズル、
○子さん、スルズルズル、
がんばってますよお、ズルズルズルズルズル」
と、失礼極まりない訪問と成り果てたのでした。
そんな無礼者でも許してくれた、
懐の深い東小の保護者のみなさんの笑顔を思い出している、
連休の谷間の村瀬です。
明日から長い休みが始まります。
1年生をはじめ、
新しい環境の中で精一杯毎日を過ごし、
疲れがたまっている子どもも多いかと思います。
ここまで歩んできた子どもたちは、
どの子もみんな、本当に立派に感じます。
子どもたちだけでなく、きっと保護者のみなさんの中にも、
新年度を全力で駆け抜けた人も多くいることでしょう。
この連休が、
子どもたち、保護者のみなさんにとって、
少しでも心安まる日々となるよう、願っています。
それでは、また。