先生たちがブツブツブツ…(令和3年度)

また会う日まで

2021年4月15日 17時19分

こんにちは、村瀬です。

今日も気持ちの良い空が広がっています。

足下には、パンジーやビオラ、ノースポールが、

今も盛りとばかりに咲き誇っています。

サボる村瀬に代わって、

用務員のKさんが日々丁寧にお世話をしてくれているおかげです。

 

そんな素敵な環境の下、

今日は離任式が行われました。

例の対策のため、

初めて運動場での開催となりました。

7人の離れゆく教職員の皆様にふさわしい天候で何よりでした。

 

子どもたちはそれぞれ、

感謝の手紙を書きました。

地域のお花屋さんにお願いしたところ、

門出にふさわしい素敵な花束をご用意くださいました。

きっと、感謝の想いは伝わることと思います。

 

この学校を支え続けてくれた7人の方々に、

もっとその想いを伝えたい。

そう考えた私たちは、

もう一つ、準備したものがありました。

それは、

昨年度の卒業生が製作した、

書道パフォーマンスの作品です。

テーマは「感謝」なので、

まさに今日にふさわしいものでした。

教頭先生をはじめ、多くの先生方の協力のおかげで、

ちょうど先生方が入退場される、昇降口の上部に飾ることができました。

 

さて、昼放課のこと。

村瀬はマイクやいすの準備をしていました。

『感謝』と大きく書かれた作品が青空によく映えていて、

「いやあ、こりゃあ喜んでもらえるよなあ」と、にやにやしておりました。

そんな折、

旗が大きくたなびく風が通り抜けました。

するとどうでしょう、

作品も大きく揺れ、

中央部から破れ始めたではありませんか!

固まる村瀬。

とめどなく破れていく作品。

そしてとうとう、二つに分かれてしまいました。

ちょうど、『感謝』の文字が真っ二つ。

これが式の最中に起こっていたら、

「恩を仇(あだ)で返す」ような最悪の事態です。

いやいや、

式中でない状態でも、最悪の事態です。

 

異変に気付いた作品の指導者、M先生が窓から顔を出します。

そして、「修復するぞ」と叫びました。

村瀬はダッシュで職員室に戻り、

そこにいた先生方に協力を請います。

フットワークの軽さはおそらく日進一いや、県下一の相野山教職員集団です。

即座に多くの先生方が席を立ち、事故現場に駆けつけました。

もちろん村瀬も走ります。

「先生走っちゃいけないんだよー」

という子どもからの正当な声が飛んできましたが、

「先生は走っていないよ。飛んでいるのだよ」

という真っ当な答えでかわしていきます。

 

しかし、さすがは村瀬です。

まず3階に駆けつけたところ、

「村瀬、下行って」

慌てて2階に降りたところ、

「村瀬、上で支えて」

再び3階に戻ったところ、

「村瀬、だから下だって」

あれ、これ、いじわるされてる? と思うほどの動かされっぷりです。

結果、村瀬は相変わらずの役立たずっぷりでしたが、

多くの先生方でしっかりと修復され、式にしっかり間に合ったのでした。

式中も風が吹く度にびくびくしておりましたが、

どうにか最後までもってくれました。

先生方の感謝の想いがしっかりと作品に乗り移ったからでしょう。

めでたし、めでたし、でした。

 

それにしても、去りゆく方々のスピーチは、

どれも心に響くものでした。

そして、

もう戻られることはないんだなと、

改めてさみしさを覚えました。

 

7人の皆様それぞれの功績は、

計り知れないものです。

抜けた穴を埋めることは、

おそらくできないのだろうと思います。

ただ、

迎えた方々と、

新しい場所を耕(たがや)していく。

新しい相野山の形を作っていく。

新しい形でも子どもたちの笑顔を守っていく。

そうしていくしかないのだろうと考えています。

そしてそれが、

7人の先生に対する「恩返し」なのだろうなと思います。

 

そんなことを考えつつ、

また会える日を楽しみに、

子どもたちと一緒に手を振って見送っていた、村瀬なのでした。

 

それでは、また。