冬の祭典。
2022年2月22日 11時35分こんにちは、村瀬です。
朝起きた時、窓から見える世界が白く染まっていることに、
驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
学校そばの通勤路の、両サイドに水田が広がって言う場所があるのですが、
朝日に照らされてまぶしいほどきれいだったので、
思わず停車してしばらく見入ってしまいました。
一方で、学校近隣でも交通事故が何件かおきていたようです。
おそらく道路の凍結が原因かと思いますが、
天候が悪い日は、より一層、
安全に気を付けてハンドルを握る必要がありますね。
雪といえば、
二日前の日曜日、
冬の祭典、冬季オリンピックが幕を閉じましたね。
今回も数々のドラマを私たちに見せながら、
この緊迫した情勢におだやかな光を当ててくれたように感じます。
当たり前のことですが、
オリンピックに参加する選手のみなさんの技量や精神力には、
まったく恐れ入ります。
どの競技を見ても、どうしてそんなことができるの、と、
口がぽかんと空いてしまいます。
かつて、カーリングを体験させてもらったことがあります。
思ったところにストーン(あれ、20kgもあるんですよ!)が置けない、
なんてレベルではなく、
村瀬はストーンを手放すことすらできませんでした。
片足でハック(蹴り台)を蹴って、勢いをつけて前進しなければなりませんが、
蹴った瞬間に、転倒しました。
何度やっても、転倒しました。
安定した姿勢をとるには、柔軟性とバランス感覚、体幹力が必要なようですが、
全てを欠如している村瀬が、できるはずもありません。
あまりにもできないものですから、
ブラシでゴシゴシする役目しか、やらせてもらえなくなりました。
しかし、このゴシゴシも、難しい。
村瀬はここでも転倒してストーンにぶつかったり、
仲間のストーンをブラシで直接はじきだしたりと、
散々なプレーヤーとして周りに白い目で見られました。
スケートも経験済みです。
カーリングより転倒を繰り返しました。
ヘルメットがなければ、
おそらく今ここにいないであろうくらい、
何度も氷に頭をぶつけました。
スノーボードも経験済みです。
が、前を向いて立つことができず、
いつも斜面と向かい合ってではないと起き上がれませんでした。
ふもとから見ていた友人たちに、
「なぜ村瀬は、いつもおしりを見せつけて、降りてくるんだ」
と、揶揄(やゆ)され続けました。
スキーも経験済みです。
スノーボードに比べたら、まし。
そう思っていたのですが、
数年前、家族でゲレンデにおもむいたときの話です。
10年以上のブランクがあり、
さらには以前に比べ、確実に運動不足だった村瀬は、
予想以上の滑(すべ)れなさに、我ながら唖然としてしまいました。
が、初めて雪山にやってきた、
息子まいけるや(娘まーがれっと)がいる手前無様な姿は見せたくない、
とは思いましたが、
スキースクールに数時間通った二人に、
技量をあっという間に追い抜かれてしまいました。
それでも、まーがれっとのおもり役として、
へっぴり腰で後ろからどうにかついて滑っていました。
あるとき、細く、ゆるやかな斜面の真ん中で、
まーがれっとが急に止まりました。
父は衝突を避けようと、板を横に向けたのですが、
止まりません。
ゆっくり、ゆっくりと、コースを外れていきます。
そして、急斜面を滑り落ち、セーフティーネットに抱きとめられました。
その際、ネットの支柱に右手小指をぶつけ、激痛が走りました。
(ちゃんと骨折していました。)
コース内に取り残されたまーがれっとが心配しないように、
痛みにこらえながら、父は声をかけます。
「まーがれっとよ、案ずるな。父は無事じゃ。
そなたは先にゆき、母上のもとへ向かうのじゃ。
ここは危険であるうえ、父を救おうなどと、ゆめゆめ考えるでないぞ。
さあ、父のことなどかえりみず、進むのじゃ!」
振り返ると、そこにはマーガレットの姿はありませんでした。
代わりに、
「パパ、あそこで網に引っかかってるおじさんがいるよ」
と、ストックで村瀬を示している知らない男の子がいましたとさ。
なんて、どうでもいい思い出に身を浸しながら、
2週間程、様々な競技に見入っていました。
歓喜に包まれた選手がいる一方で、悔しさを噛みしめる選手も見られました。
結果はいつだって、時の運に大きく左右されるものですが、
世界を舞台に戦った、また、
そこに至るまで絶え間ない努力を重ねてきたという事実は、
揺らぐことはありません。
その事実があるからこそ、
選手のみなさんは勇気や希望を与える存在になれるのではないかと感じます。
そして私たちは、選手と一緒に喜びや悲しみを分かち合えるのではないかと思います。
選手に憧れ、行動に移した子どもたちが、
また次の世代に光を灯す。
そのなかにいつか、相野山小学校の誰かが加わってほしいなと願う、
世界の舞台とは無縁の村瀬なのでした。
それでは、また。