お宝を探して
2021年4月24日 20時38分
こんばんは、村瀬です。
本日は自宅よりぶつぶつしております。
傍(かたわ)らで、
まいける(長男)が口を空けながらテレビを見ており、
まーがれっと(長女)がよくわからない歌を熱唱しております。
訳あって二人に相手にされず、
仕方なく、ぶつぶつしております。
さて、本日は、
相野山小学校の伝統行事である、
PTA主催「親子ふれあいたけのこ掘り」
が挙行されました。
授業公開と同様、
開催が危ぶまれておりましたが、
PTA役員の皆様の知恵とご尽力のおかげで、
無事に行うことができました。
できるかどうかの懸念事項は、
感染症の状況だけではありませんでした。
週の初め、高学年の会場となる、学校に隣接する竹やぶへ、
村瀬は視察に出向きました。
そして、衝撃を受けます。
たけのこが、ない!
ざっと見まわったところ、6本しか、ない!
村瀬はあわてて教頭先生のもとへ向かいます。
村瀬「教頭、大変な事態であります!」
教頭「どうした、村瀬。何があったのだ?」
村瀬「た、た、たけのこが、あ、あ、ありません!」
教頭「落ち着け、村瀬! もう一度言ってみろ!」
村瀬「たけのこが、6本しかありません!」
教頭「村瀬、ふざけているのか!」
村瀬「いえ、あなたほどふざけてはおりません!」
教頭「むむむ…なんということだ…」
K教頭にとって、初めての行事です。
村瀬以上に動揺しています。
先週末に大雨が降っていましたので、
「雨後のたけのこ」の言葉通り、
明日になったら、辺り一面たけのこが顔を出しているかもしれない。
そんな淡い期待を抱いて翌日再び竹やぶに向かいましたが、
4本ほど増えただけで、事態は大きく変わりません。
高学年コースには、たけのこに飢えた猛者(もさ)たちが、
100人以上も訪れる予定です。
わずか10本のたけのこを奪い合う、
阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄絵図が広がるかもしれない。
やがて怒りの矛先が学校へと向き、
クワやシャベルを持った群衆に追い回されるかもしれない。
そんな想像を浮かべ、
二人で半べそをかきながら現場を後にしました。
そしてすぐさま、
もう一つの会場となる竹林を毎年提供してくださっている、
相野山小PTA界のレジェンドEさんと、
会長のMさんに相談することとしました。
どうやら今年は、不作の年のようで、
Eさんの竹林も例年と比べるとうんと少なかったようですが、
協議の末、開催するという決定が下されました。
そうなった後も、
教頭先生の不安は尽きず、
「暴動が起こったらどうしよう。
いや相野山の方は優しいから、きっと大丈夫だろう。
でも食べ物の恨みは恐ろしいっていうしなあ。
だけど、明日には奇跡的にたけのこがもさもさ生えてるかも…」
と、ずっと苦悩されているご様子でした。
当日。
残念ながら、奇跡は起きませんでした。
かといって、暴動も起きませんでした。
むしろ、たくさんの笑顔を見ることができました。
文句が飛び交うこともなく、
大人も子どもも、
かくれんぼしているたけのこを、
夢中になって宝探しをするかのように、楽しんでいる様子でした。
それだけではありません。
見つけたり掘り起こしたりした貴重なたけのこを、
誰かに譲る方が多く見られました。
運営に奔走されていたPTA役員の方々に、
感謝や労(ねぎら)いの言葉をかける方も多く見られました。
Eさんの竹林に捨てられた空きビンなどを、
拾い集めて学校に持ってきてくれた子どもも見られました。
たけのこ以上に見られた、
そんな「思いやり」や「優しさ」こそ、
たけのこ以上の、
相野山の「お宝」なのだと思います。
たけのこの数が少なかったとはいえ、
二年ぶりに行われた今回の会も、
たくさんの笑顔の花とお宝を、探し当てることができた、
素晴らしい時間になったと確信しています。
それを支えてくださったのは、
他でもないPTAの役員の皆様です。
当日はもちろん、ここに至るまで、
長い時間をかけて、しっかりと準備してくださったおかげで、
今回も大成功に終わりました。
心から感謝申し上げます。
重ねて、みんなが楽しめるようにと、
竹林を提供してくださったEさんとその友人の方、
居酒屋「M」の店主様にも、
深く感謝いたします。
ありがとうございました。
色々と大変なことはありますが、
子どもたちとその家族、地域のために、
来年も同じように開催してほしいなと心から願います。
ところで、村瀬帰宅後の話。
まいけるとまーがれっとが駆け寄ってきます。
兄妹「父上、おかえりなさいませ」
村瀬「うむ、ただいま戻った」
兄 「それで、父上、本日の成果は?」
妹 「何本ほど掘り当てられたのですか?」
村瀬「うむ…それが…なしじゃ」
兄 「それは誠でござるか?」
妹 「ふざけておられるのですか?」
村瀬「父は真面目だけがとりえじゃ」
兄 「父上、今まで以上に見損ないましたぞ」
妹 「もう口も聞きとうございませぬ」
村瀬「いや、今年は少なくてな、他のものに譲ったのじゃ。
見つけようと思えばいくらでも見つけられたのじゃが、
あえて見つけないでおいてあげたのじゃ」
兄 「父上、今までの行動から到底事実とは思えませぬ」
妹 「もう顔も見とうございませぬ」
村瀬「無念じゃ…」
という訳で、
迷惑を顧(かえり)みず、
おそらく過去最長のぶつぶつを、
冷たい二人の傍(かたわ)らで記している村瀬なのでした。
それでは、また。