先生たちがブツブツブツ…(令和4年度)

12羽と1羽。

2022年4月20日 19時24分

こんにちは、村瀬です。

なんという好天の一日だったでしょう!

まさに、「避難訓練」日和(びより)!

今日こそは、無事に訓練を終えることができました。

 

2年生から6年生までの子どもたちは、

昨年の訓練がしっかり生きていて、

その上、初めて参加した1年生も、気を引き締めて行動しており、

大変有意義な時間になったように思います。

子どもたちにも伝えましたが、

「明日が本番」となってしまう可能性もありますので、

「命を守る訓練」を、

今年度も真剣に、また、数多く行っていきたいと考えております。

ご家庭でも度々、防災について話し合っていただけますと幸いです。

 

そんな緊張感あふれる時間を午前中過ごしておりましたので、

すっかり腑抜(ふぬ)けて今を迎えている村瀬です。

職員室でぼーっとしていると、観察池から鳥の声が響いてきました。

シラサギでしょうか。時折訪れる、大型の白い鳥です。

なんだか癒されますが、メダカを食べられたら困るなあと、

鼻をほじりながら思っています。

 

相野山は野鳥の宝庫です。

春になると、いつもウグイスが歌の練習をしております。

「ホーホキョ」「ホーホホホケキョ」「ケキョ」などと、

色々な歌詞を奏でていますが、

「ホーホケキョ」ときれいに決まったときは、思わずにんまりしてしまいます。

 

他にもメジロですとか、ヒヨドリですとか、スズメですとか、ハトですとか、

その他、名を知らぬ数々の鳥たちが出入りしています。

(知っている鳥が少なすぎますね。)

人にも鳥にも敷居(しきい)の低い相野山小学校です。

 

さて先週の日曜日のことです。

家で鼻をほじりながらだらだらしていると、

外から、「カー、カー」と、おなじみの声が響いてきました。

ごくありふれた日常のサウンドとして、

気にも留めず鼻をほじり続けていたわけですが、

どういうわけか、「カーカー」がずっとおさまりません。

さすがに気になって、窓から外を見ると、

となりに建つ美容室の屋根に、

カラスが12羽、ずらりと並んでいるではありませんか。

あまりの異様な光景に、村瀬は息を飲みました。

「人間だけじゃなくて、

鳥たちにまで目を付けられてしまったのか?

まさか、魔界からの使者なのか?

どこかに連れていかれるのか?」

そう恐れおののきながら、

窓から様子をうかがっていると、

12羽の後ろで、1羽のカラスが屋根の上を動いています。

他のカラスより、一回り体が小さい感じで、

羽をばたつかせながら、ぴょんぴょん跳び跳ねています。

 

もしかして、これは、

と、しばらく見ていると、

子ガラスが、あるタイミングで屋根のへりに足をかけ、

踏み出そうとしました。

が、うまく踏み切れず、また後方へと下がっていきました。

すると、12羽たちが、「カーカー」と大合唱。

さながら、「がんばれ」「負けんな」「やれるよ」「大丈夫」

と、口々に子ガラスを励ましているかのようでした。

 

またしばらくして、もう一度へりに足をかけ、

勇気をもって踏み出し、羽を広げて降下していきました。

そして、地面につく手前で羽ばたき、

もう一度浮上して、他の家の屋根に着地しました。

それを見届けた12羽は、

再び「カーカー」と、高らかに、歓声を上げて一斉に飛び立ち、

子ガラスのいる屋根に一度舞い降りた後、

13羽になって夕暮れの空に飛び立っていきました。

おぞましい恐怖の光景が、

あたたかいぬくもりを感じる光景に変わったのでした。

 

ところで、

1年生が入学してから、ちょうど2週間が経過しました。

新しい生活にすんなり慣れた子もいれば、

おそるおそる日々を過ごしている子もいます。

後者の子どもたちは、自身も不安でしょうが、

きっとそれを見ている保護者の方も、心配でたまらないでしょう。

 

その気持ちはよく分かります。

なぜなら村瀬自身も子どものころそうでしたし、

我が娘まーがれっと(通称)も、後者の子でしたから。

それに、自分自身のことよりも、自分の子どものことの方が、

ずっとつらく感じるものです。

 

しかし、

子どもと一緒に、不安を感じている保護者のみなさん、

どうぞ安心してください。

どんな子でも、やがてはちゃんと、

自分の足で歩む日がくるものです。

そしてそこには、苦労した分の喜びが、ちゃんと待ってくれています。

 

周りの子どもが当たり前にできているように(見える)、

まーがれっとがぐずらずに、分団場所に向かう姿を見た日、

言いようのない深い安堵(あんど)と喜びを感じた父親が言うのですから、

間違いありません。

 

その日がくるまで、我々相野山小の教職員は、

美容室の上に並んでいたカラスさんたちのように、

すぐそばでエールを送り続けながら、

その子と一緒に歩んでいきます。

いつか、何事もなかったように、

子どもが笑顔で学校生活を送る日がやってきたら、

一緒に、高らかに、笑い声を響かせましょうね。

 

それでは、また。