先生たちがブツブツブツ…(令和4年度)

風太(ふうた)くん。

2022年10月26日 14時47分

こんにちは、村瀬です。

朝は今年一番の冷え込みでした。

ペラペラのものから、

ちょっと厚手の掛布団にようやく替えていただき、

命拾いした父権喪失(ふけんそうしつ)中の村瀬です。

 

今現在は、とても過ごしやすい陽気です。

さきほど、掃除の時間から昼放課にかけて、

落ち葉清掃に励んでおりました。

昨年汗だくになって竹ぼうきで掃き散らかしていた村瀬を、

哀(あわ)れに思った事務のRさんが購入してくれた、

「風太くん」(ブロワー・送風機)が大活躍です。

 

ぶうぉんぶうぉんしていると、

1年生の女の子がそばにやってきました。

少女「村瀬、何してるの?」

村瀬「落ち葉を集めているのだよ」

少女「その機械なーに?」

村瀬「これかい?

これは『風太くん』といってね、

風を吹かせてくれる村瀬の友達さ」

少女「ふーん。ちょっとやってみてー」

村瀬はうなずいて、スイッチを握ります。

ぶうぉーーーんと、強力な風が飛び出します。

少女「わーーー、すごーーーい!」

村瀬「はっはっは。すごいだろ?」

少女「ほしーーい!」

村瀬「おうちも落ち葉がいっぱいなのかい?」

少女「ううん。

ここにさ、液をつけたらさ、

シャボン玉がたくさんできるよ」

村瀬「天才かよ!!」

子どもの発想、

素敵ですよね。

村瀬「サンタさんにお願いしてみたら?」

と、提案してみたら、

少女「うーん。いいかもしれない」

と、まんざらでもない返答でした。

12月25日、彼女の枕元に、

ブロワーが置いてあることを願ってやみません。

 

少しして、今度は4年生の男子二人組がやってきます。

A「村瀬、落ち葉飛ばしてるの?」

村瀬「ああそうさ、偉いだろ?」

B「前はほうきで掃いてたじゃん」

A「わあ、手ぬいてるんだー」

村瀬「な、なにを言う!」

B「おばあちゃんが

『若いうちは楽しないで買ってでも苦労しなさい』って言ってたよ」

村瀬「う…。

しかし、しかしだよ、きみたち、

この膨大な緑に囲まれた校内の落ち葉を、

ほうきでハキハキしていたら、

どれくらい苦しいか分かるかね?

身体は汗だらけ、手はマメだらけになるのだよ。

この『風太くん』は、

それを不憫(ふびん)に思った天使のRさんが、

厳しい財政の中、

どうにか予算をかき集めてくださった、

尊い宝物なのだよ。

それにね、楽っていうが、

これだってなかなか難しいものなのだよ。

こうやって引き金を引くだろ。

この力加減で、風の強さが変わるのだよ。

この加減が難しくてね、

例えばあそこを地点Aとする。

これくらい握れば、地点Aの半分ほどしか落ち葉は飛ばない。

だからといって、

このように力を入れすぎると、

地点Aを通り越してしまうんだ。

その微妙な力加減を習得するまで、

どれほど汗と血が流れたことか。

さあ、ごらん。

きみたちにこの一年で村瀬が身に付けた奥義『思ったところまで落ち葉を吹きとばーす』を披露しよう。

えい!!

ほら見たまえ。

地点Aに見事落ち着いたであろう。

分かったか、君たち、

これでも、手を抜いてるとか楽をしてるとかいうかね?」

   

振り返るとそこには誰もいませんでした。

というように、

今日もおだやかな相野山小学校なのでしたとさ。

 

それでは、また。