ごめんね。
2021年9月22日 16時57分こんにちは、村瀬です。
中秋の名月、
見られませんでしたね。
隣に座るY先生が言うには、
「村瀬が本気で草刈りしたからだ」
ということです。
確かに、
ちょっと本腰入れてやろうと、
「まさおくん」(草刈りましーん)と一緒に暴れ初めた直後、
ぽつぽつ降り始めました。
朝のニュースでは、
きれいな月が見られるかも、と、
予報士さんが笑っていたのに、
おかしな話です。
「『お月見どろぼう』の日に草刈りするなよな」
と、Y先生は続けます。
昨日は子どもたちが待ちに待った、
合法的にお菓子を盗むことができる日でした。
素敵な風習が残るこの地域です。
「今日、あおぞら公園集合な」
なんて話している子どもたちも多くいました。
村瀬が草刈りをし始めたのは、
高学年の下校が終わった後。
「なんか、ごめんね」
村瀬は空に向かって呟きました。
勤務後、
学校を出てすぐの坂道を下りると、
右手にお菓子の袋、
左手に傘を差して歩いている、
兄妹(きょうだい)とお母さんが横切りました。
お母さんの顔には疲労が色濃く浮かんでいます。
「なんか、ごめんね」
村瀬はフロントガラス越しに呟きました。
現在も雨は降っておりますが、
これは予報通りです。
それを見越して、
今朝は植木屋さんに扮(ふん)して、
植え込みをハサミでちょきちょき切りまくっておりました。
体育館の側面で作業していたのですが、
背中越しに、
渡り廊下を通る、
おそらく4年生の子どもたちの声が聞こえてきます。
途中、
どうやら登校時にもめた感じの、
2人の少年のやりとりが耳に入ってきます。
なんだかトゲトゲしい声が飛び交っていたのですが、
会話の最後、
一方が、
「ぼくが悪かった。ごめんね」
と言葉をこぼしました。
そして、もう一方が、
「いいよ」
と返しました。
その後、すぐに笑い声が響きました。
「ごめんね」「いいよ」
このやりとりが大好きです。
小学校ではこの簡単なやりとりが、
よく見られます。
村瀬を含め、
歳を重ねると、
このやりとりのように、
「許す」ということが、
簡単にできなくなってしまう人が増えるのは、
心が硬(かた)くなるからなのでしょうか。
そんな光景を目にする度に、
なんだか反省させられる気分になります。
そして、やわらかな心でいたいなあと、
憧れに似た気持ちを抱くのです。
ここのところ、
冷たい風が吹き抜けていくような、
どこか寒々とした世の中に感じるときがあります。
だからこそ、
「許す」
という行為の尊さを、
より強く感じます。
子どもたちがもっているやわらかさを、
大人も思い出し、大切にして、
日々を過ごしていきたいものです。
さて、
子どもたちを見習って、
村瀬もちゃんと謝りますから、
みなさんも大きな心で、
「いいよ」
と許してくださいね。
雨、
たくさん降らして、
ごめんね。
・・・いやいや、まてよ。
天候不良、
村瀬のせいじゃないから!
それでは、また。