先生たちがブツブツブツ…(令和3年度)

体の要(かなめ)。

2022年2月25日 13時06分

こんにちは、村瀬です。

 

それは、昨日。

足元のコンセントのからみを直そう、

そんなごくありふれた作業をしようとしたときに起こりました。

かがんで机の下に潜ったとき、思わず、

「うはっ」

という声が漏れてしまいました。

腰に電流が流れたのです。

 

腰を「やっちまった」ときの苦しみを思い返すと、

経験者なら誰でも顔をしかめるに違いありません。

村瀬が最初に「やっちまった」のは、

前任校で6年生を担任していたときです。

 

なんか、腰に違和感を感じるなあと、過ごしていたある日のこと。

お風呂に入り、湯船から出ようとして立ち上がったとき、

背中から腰、太ももの裏にかけて、衝撃が走りました。

あまりの痛みに、足が上がらなくなりました。

自力では、湯船のへりを超えることができないのです。

立ったまま、「足湯」につかっている状態です。

すっぽんぽんでしたので、だんだん寒くなってきましたが、

座ることもできません。

さらには、不運にも、家には誰もおりません。

独り、すっぽんぽんで足湯につかる男。

あまりにも哀れな姿だったと思います。

2時間後、相方が帰宅しました。

「おーい、助けてー」

と、か細い声で助けを呼ぶと、浴室に来てくれました。

が、その惨(みじ)めな姿に、大爆笑。

心配する前に、腹を抱えて笑い始めました。

この出来事は、

夫婦の禍根(かこん)として、今でも村瀬家に残っています。

 

病院では、「へるにあ」と診断されました。

ちなみに、そのときの学年の担任陣全員が、

「へるにあ」を罹患(りかん)済みだったため、

当時流行していた映画「ナルニア国物語」にちなんで、

学年団を「へるにあ国」と名乗り、

「新しいへるにあ国王の誕生だ」と騒いでいたものです。

 

幸い、2週間ほどで痛みは引き、

健全な日常生活を取り戻すことができたのですが、

それ以来、再発を恐れ、そこそこ腰には気を配って生活しています。

が、元来いいかげんな人間ですので、

気がつけば姿勢が悪くなり、腰に負担をかけ、

痛みを感じて、恐れおののく、

というループを相変わらず繰り返しております。

 

疲れがでたり、緊張感が緩む期間に事は起こりやすいため、

痛みが発生するのはほとんど、家で過ごしているときだったのですが、

久しぶりに学校で起きてしまったのです。

よりによって、職員室で。

 

「うはっ」という声に敏感に反応したのが、

隣の席に座る、Y先生です。

相野山小職員の中で随一の危険人物が第一発見者になってしまったのです。

村瀬の様子から一瞬で状況を判断します。

そのスピードは天才的です。

「あ、村瀬、腰やったな。

こりゃ。ぎっくりー(ぎっくり腰)だ。ぎっくりーだ。ぎゃはははは」

悪魔の高笑いが職員室に響きます。

その騒ぎに、ALTのS先生が反応してそばにやってきます。

「ほんとだー、村瀬。

 もうこれは動けないね。おしまいだ。きゃはははは」

普段、職員室の給食のあまりを、

S先生に無理やり押し付けていたのが仇(あだ)になったようです。

ここぞとばかりに、Y先生とはしゃいでいます。

(ちなみに、お二方ともぎっくり経験者です。)

 

騒ぎを聞きつけ、多くの先生たちが見物しに来ます。

最悪なのが、笑うことです。笑う度に激痛が走ります。

その姿がおかしくて、みんなが笑かしにかかります。

校長先生すら、「写真撮っていい?」とにやにや近づいてきました。

思わず、「あっちへ行け」と言ってしまいました。

後日処分が下るかもしれません。

 

一時間ほど職員室の床で正座し、

子どもたちが帰った後、

これではもう、仕事にならないということで、

帰還命令が下ります。

しかし、車までの道のりがあまりにも遠すぎます。

台車がやってきて、乗れと言われました。

荷物を運ぶ、あの台車です。

その姿を想像して、また笑ってしまい、激痛に襲われます。

最終的には車いすが用意されました。

 

さながら高級ホテルのように、

Y先生が車を玄関に寄せてくれました。

S先生は痛み止めの薬をくれました。

悪魔にも良心があるのだなあとしみじみしながら、

車いすで運ばれていきます。

階段も多くの先生で持ち上げてくれました。

最後の段差で誰かの手が滑り、ガクンと落ちた衝撃で、

また悲鳴をあげると、爆笑が起こりました。

 

気が付けば、大半の職員が外に出ています。

「へるにあ国王の帰還」にはふさわしい光景です。

または、離任式によく見られる光景です。

結局、みんな、優しいんだよなあ、と感涙して、

「6年間、お世話になりました」

と、思わず口に出してしまいました。

 

その後、村瀬は、行きつけの接骨院に直行し、

処置をしてもらい、今日に至ります。

おかげ様で今では、

すっかり元気になりました。

まあ、笑うと痛みが走ったり、

階段では手すりをぎゅっと握ったり、

能役者のようにそろりそろりと歩いたり、

5年生の授業では、落ちた黒板消しが拾えなくて、

子どもたちから爆笑されたりしていましたけど。

 

ということで、

長々と意味のないことをぶつぶつしてごめんなさい。

本日二回目のぶつぶつにもなってしまいましたが、

これくらいしかできる仕事(?)がないもので…。

一本目の内容に免じて許してもらうか、

腰の大切さを感じ取ってもらうか、

少しでも笑顔が生まれましたら、幸いです。

 

みなさま、

腰に気をつけて、よい週末を。

 

それでは、また。