私がやりました。
2022年11月17日 17時01分こんにちは、村瀬です。
11月も半分が過ぎました。
それなのに、
さむがりの村瀬さえ、
上着の下は半そでシャツ、
という状態です。
例年より、
短パン・半そでボーイ&ガールも多い気がします。
6年担任のS先生もその仲間です。
季節感を大切にしてほしいものです。
前回のぶつぶつで、
ラミネーターの「なかばやしくん」が旅立ったことをお伝えしましたが、
本日、新しい仲間、
「あいりすちゃん」
がやって参りました。
早速ばんばん酷使されていたようですが、
みんなで大切に使って、
長生きしてもらいたいものです。
今朝の話です。
1年生のM先生が村瀬のところにやってきました。
そして、
「なかばやしくんをダメにしたのは、
私かもしれません。ごめんなさい」
と、謝辞を伝えてこられたのです。
聞けば、ここ数日、たくさん使用したから、
とのことでした。
しかし、どの教職員も、
バンバン使いまくっていた(もちろん、必要に応じてですが)ので、
M先生が責められることでは全くもってありません。
「M先生のせいなんかじゃありやせんぜ。
なんなら、あっしのせいでございやす」
と、言葉を返したのですが、
申し訳なさそうにしておられました。
そんなM先生の正直さに感動さえ覚えたのでした。
考えてみれば、なかばやしくんの先代、「おーろらさん」が永眠したときも、
2年担任のH先生が、
「あたしがやりました」
と、正直に自首してきました。
昨日も、あいあい学級のA先生が、
「あたい、靴箱の扉を壊しました」
と、自首してきました。
ついでに、4年生のA先生も、
「わらわは、名札をなくしました」
と、自首してきました。
(このケースは違うかもしれません。)
正直者が大勢いるのは、職員室に限りません。
子どもたちも同様です。
「村瀬、ごめんなさい。
木の枝折っちゃった」
先日、低学年の少年が謝罪しに来ました。
「きみは正直者だね。
将来大統領になれるよ」
と、叱らずにエールを送りました。
どうやら、
アメリカ初代大統領ワシントンの逸話を知らない少年は、
「お、おぅ」
と、微妙な反応で立ち去っていきました。
他にも、
ボールを破裂させてしまった子、
掲示物を破ってしまった子
掃除道具を壊してしまった子、
様々な正直者たちがやってきます。
そんな子たちに、村瀬を含め、
多くの先生方は、叱りません。
もちろん理由が理由であれば、叱ることもありますが、
それでも、まずは正直であったことを認めるようにしています。
村瀬が中学生で、国語の授業を受けていたときの話です。
その日、定期テストが返却され、
全体で答えを確認する時間となりました。
国語科担当のN先生が解説をしているとき、
村瀬は鼻をほじりながらぼーっと自分の解答を眺めていると、
不意に気づきました。
(この答え、違うじゃん!)
ご存じのように、中学校の定期テストの結果は、
進路に大きな影響を与えます(きっと、今の中学校よりも)。
1点、2点の違いで…ということだって考えられます。
誤って正解とされている問題の配点は大きなものでした。
鼻をほじっているどころではなく、
ただでさえ微(かす)かにしか聞こえて(聞いて)いなかった、
N先生の声は完全に遮断されました。
ザ・葛藤の時間です。
「天使の村瀬」と「悪魔の村瀬」が起き上がってきます。
天村「村瀬、正直に申し出るべきだよ。
次のテストで頑張ればいいじゃない」
村瀬「うん…そうだよね…」
悪村「ばか言うんじゃない!
黙ってれば誰にも分からないぜ。
だいたい村瀬が次のテスト、
頑張れるわけないじゃないか!」
村瀬「ごもっとも!」
天村「村瀬、目を覚まして!
悪魔に心を売るんじゃないよ。
ズルばかりしてたら、くせになっちゃうよ!」
村瀬「ううぅ…」
悪村「何を今さら!
ズルはお前の専売特許じゃないか!
みんなから村瀬ズルしげって呼ばれてるんだぞ!」
村瀬「え? そうなの?」
そんな三人のやりとりが授業中永遠に繰り返されました。
挙動不審な姿に、
きっと隣に座っていた女子は怯(おび)えていたと思います。
結局、申し出ることなく、授業は終わりました。
いつもなら、大いにはしゃいで、
放課など(何なら授業中も)を過ごしていたのですが、
どうにも、もやもやした気分が晴れません。
もやもやもやもや、部活の時間まで過ごしてしまいました。
「天使の村瀬」と「悪魔の村瀬」の対決は、
1:9の割合で後者が勝利を収めるのですが、
その日はどういうわけか、
天使の村瀬が心にしがみついて離れませんでした。
そして、とうとう、「悪魔の村瀬」が根負けしたのでした。
部活後、村瀬は職員室に走り、
N先生にその旨を伝えました。
N先生は何も言わず、村瀬の回答用紙を手に取ると、
記された点に斜線を入れ、正しい点数を記入しました。
そしてその下に、
「心=100点」
と、大きく書いてくれたのでした。
その文字を見たとたん、村瀬のもやもやはすっきり晴れました。
そしてそのときの光景は、
相変わらずしぶとく生き続ける「悪魔の村瀬」との戦いにおいて、
一つの大きな武器になり、盾ともなっているのです。
身の保身のために、
隠したりごまかしたりしていると、
いつかの村瀬のように、心を曇らせてしまいます。
そしてそれは、日々の生活をも苦しくさせてしまうのでしょう。
そうならぬよう、
相野山小の子どもたちらしく、
いつまでも澄んだ心あってほしいし、
M先生やH先生、A先生たちのように、
見本となれる大人でありたいと思うのです。
長くなり、申し訳ありません。
ところでどなたか、
A先生の名札、知りませんか?
それでは、また。