茶色くて甘いもの。
2023年2月14日 16時41分こんにちは、村瀬です。
今日は冷たい風がぴゅーぴゅー吹き荒れております。
再び寒気が暴れているようです。
身を縮めてどうにかやり過ごそうとしている村瀬です。
さて、先週末の話です。
生徒指導担当のS先生が、
教員間のオンライン連絡掲示板に、
次のような連絡を載せておられました。
『【来週の火曜日は何の日?】
学校に不要なものは必要ありません。
先生たちも、みんなの思いが詰まったものを取り上げるなんてことしたくありません。
みたいなを話を少しでもしていただけると嬉しいです。』
これを見たとき、
村瀬の頭には「?」が浮かびました。
しばらく文字とにらめっこした後、
カレンダーに目をやります。
来週の火曜日とは、『14日』。
そこには、
『非常防災設備点検』というメモしか残されておりません。
結局分からないので、
隣の席のY先生に尋ねます。
「Y先生、
この連絡は、一体どうゆうことでしょう?」
「どれどれ、
ん? 来週の火曜日?
14日か。なんかあったっけ?
思いの詰まったものを取り上げる?
一体なんのことだ?」
余計に多くの「?」が二人の間に浮かびます。
どうやら、尋(たず)ねる人を間違えたな、
と、ため息をついた村瀬ですが、
ずいぶん時間が経った後、Y先生が叫びました。
「そうだ! バレンタインデーだ!」
そんな日本中がトキメク日を忘れるなんて、
すっかり心が枯れてしまった気分になった村瀬(とY先生)でした。
思い返せば、少年村瀬は、
毎年2月14日、
毎年何のあてもないのに、
毎年ソワソワしていたような気がします。
毎年ばれないように机の中を手で執拗(しつよう)に探(さぐ)ったり、
毎年ばれないように靴箱やロッカーを隅々までチェックしたりしていました。
当然のことながら、
どこにも茶色くて甘いものは見当たりません。
ゲットした友人に対しては、
「オレ、甘いもの嫌いだし。乾き物の方が好きだし」
なんて強がりの言葉をぶつけていました。
最後の希望は家のポストです。
が、そこには夕刊が挟まっているだけ。
冷たい風がぴゅーぴゅー心を通り抜け、
深いため息をついて家に帰り、
母親から
お菓子会社Fの「ピーナッツ入りハート形チョコ」
をもらい、
涙と共にバリボリ噛みしめる、
というのが少年村瀬のバレンタインデーなのでした。
そんなわけで、
今日は6年生で授業がありましたので、
男子諸君に尋(たず)ねました。
「今日ドキドキしてるひとー?」
誰も手を挙げません。
全く、素直じゃない連中です。
そんな6年生ですが、
今日は奉仕作業の一環で、
特別教室のワックスがけをしてくれました。
なんだかいつもより、
男子の動きがよかったと思うのは気のせいでしょうか。
それでも女子に手際のよさで負けている、
というのがかわいらしいところです。
6年生のみなさん。ありがとう。
男子諸君。
今日だけがんばったって、女子の心は動かないんだぜ。
日々の小さなやさしさが、チョコレートを引き寄せるんだぜ。
でもまあ、今日はよくがんばってくれたから、
先生がプレゼントをあげよう。
金曜日の朝、社会のテストをしてあげよう。
それでは、また。